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【コラム】西部謙司

E−1とクラブワールドカップで同時テスト

[ 2017年12月1日 17:30 ]

E−1選手権に出場する日本代表メンバーを発表するハリルホジッチ監督
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 E−1に臨む日本代表メンバーが発表された。浦和レッズがクラブワールドカップ出場で選出できない中、チーム別で最多選出されたのはガンバ大阪と鹿島アントラーズの6人、川崎フロンターレ5人、柏レイソルとセレッソ大阪が2人、FC東京とサガン鳥栖が1人だった。

 最多6人が選ばれたG大阪と鹿島は、チームのプレースタイルがハリルホジッチ監督の日本代表と似ている。中盤に守備ブロックを置き、固い守備からカンターを狙う戦い方をする。ACL優勝の浦和も同 じ。似たスタイルの浦和と鹿島が好調なのは代表にとって追い風といえるかもしれない。

 一方、代表とは全くスタイルの違う川崎からも5人が選出されている。注目は大島僚太、小林悠、阿部浩行の攻撃陣だ。C大阪の清武弘嗣も含めて攻撃の新しいオプションになれるかどうか。柏の伊東純也は縦に速いタイプなので、E−1に出場しない海外組の原口元気、乾貴士、久保裕也、浅野拓磨、武藤嘉紀と競合することになる。

 浦和の選手をE−1に招集できないのは代表にとってマイナスではない。代表と同じスタイルの浦和がクラブワールドカップで経験を積んでくれるのは、むしろ大きなプラス材料である。E−1とクラブワールドカップの両方が強化の機会であり、その中からチームのベースを担え る選手、攻撃に変化をつけられる選手を見出していける。

 E−1は過密日程の短期戦なので、鹿島中心のメンバーとG大阪と川崎を組み合わせたメンバーを使い分けていけばコンビネーションもとりやすい。川崎の大島、小林、阿部は是非セットで起用してほしい。個での打開が難しい場合、コンビネーションを使えるかどうかは攻撃力アップのカギになるからだ。(西部謙司=スポーツライター)

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