【コラム】西部謙司

グループリーグを終えて コパ・アメリカ強豪分析 コロンビア編

[ 2019年6月26日 06:00 ]

コロンビア代表MFハメス・ロドリゲス
Photo By AP

 開催国ブラジルが本命なら、対抗はコロンビアだろう。グループリーグは3戦全勝、2勝1分のブラジルを成績では上回っている。

 アルゼンチンに2-0、カタールとパラグアイに1-0。ゴールラッシュはないが失点もしていない。ホセ・ペケルマン前監督時代からメンバーも変わっておらず、チームプレーに安定感がある。

 新監督カルロス・ケイロスは今年1月のアジアカップではイランを率いていた。7年率いたペケルマン前監督の後任として、従来のメンバーとスタイルを引き継いでいるが、変化も加えている。フアン・クアドラードのインサイドハーフでの起用だ。

 フォーメーションは4-3-3。クアドラードは右ウイングが定位置だったが、右のインサイドハーフでプレーしている。代わって右サイドに出たのは中心選手であるハメス・ロドリゲス。ハメスは4-4-2のときは右または左のサイドハーフとしてもプレーしているので、サイドでのプレーは珍しくない。ハメスとクアドラードのポジションを入れ替えたわけだが、2人は試合中に再び入れ替わることもあり、このポジションの互換性を狙っているのかもしれない。インサイドハーフのクアドラードはキープ力を生かして貢献していて、ハメスもトップ下のときよりもむしろ自由に動いてつかまりにくくなっている。

 3試合無失点の守備陣はGKにオスピナ、アルゼンチン戦ではペナルティーエリアを飛び出してジャンピングボレーでクリアするダイナミックなプレーをみせていた。相手のディフェンスライン裏へのロングパスに対して、飛び出してヘディングするGKはいるが、ジャンプボレーをするGKは珍しい。珍しいが、このほうがケガをするリスクは少ないかもしれない(相手にケガさせるリスクは高そうだが)。

 ディフェンスラインは右からメディナ、ミナ、サンチェス、テシージョ。右は本来レギュラーであるアリアスが3戦目に復帰した。ミナとサンチェスのセンターバックコンビは身体能力抜群の鉄壁。ミナのCKからのヘディングは攻撃での得点源にもなっている。

 MFの底にはバリオス。攻守の軸となる不可欠な選手だ。インサイドハーフはクアドラードとウリベ。FWは初戦で負傷退場したムリージョの穴を埋める活躍をしたマルティネスが左、ハメスが右。センターはファルカオかサパタ、どちらが出ても強力な点取り屋だ。3戦目のパラグアイ戦はがらりとメンバーを代え、クアドラード以外の先発を入れ替えたが、アルゼンチン戦とカタール戦のメンバーが主力だろう。

 攻撃の武器は、右へ開いたときのクアドラードの高速クロス、ハメスの左足から繰り出されるキラーパス、セットプレーでのミナの頭、クロスにつっこむファルカオ、サパタ。ブラジルほど攻め手に多彩さはないが、それぞれが研ぎ澄まされている。攻守ともにレベルが高く隙のないチームである。弱点をあげるとすれば、やや守備が軽くなる時間帯があること。カタール戦の後半に守備の圧力が緩くなって攻め込まれている。コンパクトにプレーできるかどうかがカギになるかもしれない。(西部謙司=スポーツライター)

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る