中尾彬さん 急死 81歳 10年前から愛妻・池波志乃と“終活”マフラーもアトリエも手放して深まった絆

[ 2024年5月23日 05:15 ]

夫人の池波志乃(右)にキスをプレゼントされ、満面の笑顔の中尾彬さん(2008年4月12日)
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 映画やドラマ、バラエティー番組でも活躍した俳優の中尾彬(なかお・あきら)さんが16日、心不全のため都内の自宅で死去した。81歳。所属事務所が22日に公式サイトで発表した。千葉県木更津市出身。葬儀は近親者のみで営んだ。最期をみとった妻で女優の池波志乃(69)は「あまりに急で、変わらない顔で逝ってしまったので、まだ志乃~と呼ばれそうな気がします」と突然の別れに悲しみを募らせた。

 北野武監督(77)の映画「アウトレイジ ビヨンド」や武内英樹監督(57)の「翔んで埼玉」、テレビではドラマ「GTO」の教頭役など硬派からコミカルな役まで巧みに演じ分けた名バイプレーヤーが静かに逝った。マフラーやスカーフを首元からひねって結ぶ「ねじねじ」もおなじみで、絵画や料理も玄人はだしの才人だった。

 10年ほど前から終活を始めて人生の整理に着手していたが、親交のあったテレビ局関係者も「このところは持病もなく穏やかな日々を送っていた」と証言する中で訪れた突然の悲しみ。ゴールデンウイーク期間中にはCM撮影を行うなど5月初旬まで元気だっただけに、芸能界屈指のおしどり夫婦として知られた妻の池波のショックも大きい。

 事務所を通して「今年に入って足腰が悪く体力も落ちて、自宅でゆっくり休んでおりました。12月の旅行に向けて、頑張ってリハビリをしていたくらいでしたが、15日に容体が急変し、16日の夜中に自宅で私と2人の時に、とても穏やかに眠るように息を引き取りました」とコメント。最後は気丈に「中尾彬らしいね~と笑って送ってくだされば幸いです」と締めくくった。

 武蔵野美術大学油絵学科を中退した中尾さんは1961年に日活ニューフェイスの第5期に合格。63年には劇団民芸に研究生として入団し、64年に中平康監督の「月曜日のユカ」で加賀まりこ(80)のボーイフレンドを好演して注目を集めた。71年にフリーに転身。75年に「本陣殺人事件」で金田一耕助役に抜てきされたほか、東映「極道の妻たち」シリーズや東宝「ゴジラ」シリーズ、伊丹十三監督の「ミンボーの女」などに出演した。

 私生活では70年に女優の茅島成美(81)と結婚。1児をもうけたが、別の女優との不倫が発覚。離婚調停の末に78年に茅島との離婚が成立したが、その調停中にテレビ朝日「達磨大助事件帳」で出会ったのが池波で、同年に再婚した。

 夫婦生活は46年に及んだが、その間、何度か中尾さんを病魔が襲った。2007年3月30日には毎日放送の番組「知っとこ!」出演のために滞在していた大阪市内のホテルで倒れ、急性肺炎と診断されて生死の境をさまよい、19年にも急性肺炎でダウン。その都度、夫婦愛で乗り切った。

 終活を始めたことで夫婦の絆はより深まった。コロナ下でも池波は中尾さんのために手作り料理を欠かさなかったという。食道楽として知られた中尾さんだが、アイスバー「ガリガリ君」が大好きと公言するなどおちゃめなところもあった。 

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