蝶花楼桃花 「桃組」成功で快進撃 初司会、ニュース番組コメンテーター、独演会…

[ 2023年5月22日 09:30 ]

乗りに乗っている落語家・蝶花楼桃花
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 【牧 元一の孤人焦点】3月に女性だけの寄席公演「桃組」を成功させた落語家の蝶花楼桃花の快進撃が続いている。

 今月3日放送のBS日テレ「笑点特大号」の企画「第一回桃組大喜利」で自身初の司会を務めた。

 桃花は「寄席でも司会はやったことがなかったので、お話をいただいた時は、え~!?という感じでした。実際に収録して、おもしろくしなくちゃいけないし、ちゃんと進行させなくちゃいけないし、みんなのキャラを立たせなくちゃいけないし、お客さんの反応もうかがわなくちゃいけないし、座布団の枚数も考えなくちゃいけないし…。大変でした。『笑点』司会の春風亭昇太師匠は凄い!と思いました」と振りかえる。

 桃組大喜利メンバーは全員が女性。回答者は春風亭一花、立川こはる、三遊亭遊かり、金原亭杏寿、桂しん華、立川志ら鈴の6人。座布団運びは林家あずみ、林家つる子の2人。自身は中央に座り、司会でありながら途中で立ち上がって歌うパフォーマンスも見せた。

 「私がやり過ぎた時には座布団運びの2人が出て来て突っ込んでくれるという信頼関係がありました。楽しかったので、もう一回やりたい。スタッフさんに『次はいつですか?』と聞いたら『次があると思うな!』とくぎを刺されつつ『評判が良ければ…』と言ってもらいました。桃組のロケなども検討していただいているようなので、ありがたいです」

 3月21日にはTBS「news23」に「桃組」特集のゲストとして生出演。4月26日には同番組にコメンテーターとして生出演し、今月も同様に出演予定があるなど、ニュース番組にも進出した。

 「仕事が広がったのも桃組のおかげです。つい落語家のいつもの感覚でしゃべってしまいそうになりますが、全国に生放送されているニュース番組なのだと思い直すと、緊張します。私がウクライナのことなどにコメントするのが不思議です」

 今月下旬からは独演会の予定が続く。27日が山口・宇部市文化会館、6月1日が宮城・トークネットホール仙台、2日が岩手・盛岡劇場メインホール、3日が岩手・北上市文化交流センター、16日が東京・内幸町ホール…。仙台、岩手での独演会は初めてだ。

 「地方からお声がかかるなんて、二つ目の頃には考えられませんでした。認知してもらってうれしいですが、最初に『こいつはつまらない』と思われると、もう行けなくなってしまいます。なんとか初めてのお客さまに喜んでいただけることをやりたいと思っています。でも、おなかがいっぱいになり過ぎるようなことをやると疲れさせてしまう。帰りは軽やかな気持ちになってほしい。ネタ選びが難しいですが、今の桃花の楽しい部分をできるだけ抽出したいです」

 昨年3月に真打ちに昇進し、同年7月に東京・浅草演芸ホールで初トリ。同ホールでの2回目のトリの企画として実現したのが、今年3月の「桃組」公演だった。

 「今、ほかの寄席からも初トリのお話をいただいています。それぞれの寄席でお客さんの雰囲気が違うので、同じトリでも全く違います。次の目標は、ほかの寄席でトリを務めることです。そして、12月には、落語家として成長していく根本になるような大きな会をやろうと思っています。その初回は、前半が日本舞踊で、後半が落語です。日舞のお稽古を始めたのは落語に『人形振り』を入れたいと思ったのがきっかけでした。日舞以外にも、毎年、落語に還元できるような芸をコツコツと年間を通じて習得して、みなさんに披露していきたい。40代が終わって50代になった時、その芸が財産になっている状況を作りたい。ライフワークのような会を今年から始めたいと考えています」

 精進すれば、いずれ落語界を代表する一人になる日が来るかもしれない。

 「今は、いっぱいいっぱい過ぎて、ひどい姿もたくさんお見せしていると思います。真打ちになって大変な時期、つらい時期ですが、このキラキラする時期をぜひ近くで見ていただきたい。成長できるように頑張りますので応援していただけるとうれしいです」

 今、最も目が離せない噺家であることは間違いない。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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