窪田彩乃 ホラー映画で初主演 「髪が伸びる人形が家にあります」

[ 2022年12月16日 08:30 ]

映画のポスターの前でポーズをとる窪田彩乃
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 【牧 元一の孤人焦点】俳優の窪田彩乃(24)が23日公開のホラー映画「真・事故物件パート2/全滅」(佐々木勝己監督)で初主演した。

 インタビューに応じた窪田は「変顔が多いです。自分では、大丈夫かな?と心配でしたけど、試写を見た後にカメラマンさんなどから『やはり、いい表情してるよね』と声を掛けられて安心しました。意識して作った表情はひとつもなくて、全てが自然に出たものです。その時にその場で生きていたらそういう顔になりました」と笑う。

 作品は今年2月公開の「真・事故物件 本当に怖い住民たち」の続編。事故物件を舞台にした恋愛リアリティーショーが想像を絶する殺りくの場となる。

 「出演が決まった後、監督から『現場は凄く臭い』と言われました。撮影でシカの内臓を使ったんです。シカのあばらから肉をそぐところを撮ったんですけど、私は魚の解体とかもしたことがないので、やり方も分からず大変でした。現場は夏なのにエアコンも使えなくて、私は撮影中ずっと吐き気を催している感じでした。あれから、ひき肉を見るたびに、あの臭いを思い出します」

 演じる主人公の姫宮伊吹は喫煙者だが、自身はたばこを吸った経験がなかった。

 「監督には『吸えなくても大丈夫。吹かせばいい』と言われたんですけど、それじゃ姫宮にならないと思いました。喫煙する友だちに吸い方を聞いたら『煙を肺に入れないと、吸っていないことがばれる』と言われたので、最初はゲホゲホしながら吸いました。いろんな喫煙所に行って、いろんな人の吸い方を研究しました。私は人間観察が好きで、以前、キスシーンを演じた時、夜の渋谷を徘徊して、キスしている人たちを見て研究したこともあります」

 芸能界入りのきっかけは事務所関係者のスカウト。デビューに向けて演技レッスンを受けているうちに役者への思いが高まった。

 「高校生の時にスカウトしてもらって、それまで特に何も考えずに生きていました。お芝居のレッスンに行ったら、自分と同じ年齢の子がいて、その子がとても演技が上手だったんです。どうしても負けたくない、あんなお芝居ができるようになりたいと思って、その子だけを見続けて、気がついたら今の私になっていました」

 ホラー映画で初主演を勝ち取ったが、実は自身に不思議な体験がある。

 「髪が伸びる人形が私の家にあります。曽祖父にもらったものです。わが家は転勤が多くて、これまで6回ほど引っ越しをしたんですけど、6回のうち4回は髪が伸びました。ボブくらいの髪がロングになるんです。悪い家だと伸びて良い家だと伸びないらしくて、今は伸びていません。伸びる家ではテレビが自然についたり消えたりもしました。おはらいをしてもらいに行った時に『良い霊がついていて、みんなの不幸を吸収するから髪が伸びる』と言われたので、大事にしようと思って、今は家のお守りになっています」

 最近の仕事は順調。今作の主演が決まった後、ホラー関係の出演が増えたという。

 「演技しているというより、その人としてそこに生きているというような女優さんになりたいです」

 自然な芝居で変顔連発となった今作はその第一歩と言える。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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