笑福亭鉄瓶「繁昌亭大賞」奨励賞 “ノンフィクション落語”開拓

[ 2022年12月16日 14:25 ]

「第17回繁昌亭大賞」の奨励賞を受賞した笑福亭鉄瓶
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 上方落語協会は16日、「第17回繁昌亭大賞」(笑福亭仁智会長)を発表した。奨励賞に輝いた笑福亭鉄瓶(44)は師匠である笑福亭鶴瓶(70)譲りの自然体の語り口で幅広いファン層に支持されたことが評価された。さらに感動した実話を自ら取材して創作する“ノンフィクション落語”という新ジャンルを開拓したことも認められた。

 読み書きができなかった60歳を超えた男性が、結婚35年目で妻にラブレターを書いた話や、料理未経験のシングルファザーが高校生の娘に3年間毎朝弁当を作った話などを創作した。

 鉄瓶は「自分が知った、聞いた、見たもので感銘を受けたモノで、自分がやりたいと思ったモノだけを創作しました」と新分野への思いを明かした。

 鉄瓶は「上方にもおもしろい噺家がいる」ということをアピールしたい。後輩である桂二葉(36)が大賞を受賞したことにも「我々世代、中堅がもっと危機感を持たないと」と上方落語界を盛り上げるためにも新しいチャレンジを続けていく構え。「次は大賞を狙います」と前を見据えた。

 また、新設の新人賞(入門15年目以下)には桂三実(29)が輝いた。師匠は創作落語の第一人者・桂文枝(79)。名古屋出身の三実が、大阪での生活への違和感や、大阪弁についての斬新なネタを創作してきたことが評価された。「師匠からは新しいモノを創れと言われてます。初代?うれしいですね」と喜びを語った。
 20代での受賞。上方落語協会会長の笑福亭仁智(70)は「才能豊かで若いセンスもある」と絶賛。上方落語界の若き噺家たちに期待を寄せている。

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2022年12月16日のニュース