永瀬王座 王座戦4連覇 史上3人目の名誉王座の資格へ30歳で王手 豊島九段を熱戦の末、退ける

[ 2022年10月4日 23:12 ]

第4局に臨む永瀬拓矢王座(日本将棋連盟提供)
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 永瀬拓矢王座(30)に豊島将之九段(32)が挑む第70期王座戦5番勝負第4局は4日、神奈川県秦野市の元湯陣屋で指され、184手で永瀬が勝利し、3勝1敗で4連覇を達成した。終局図、永瀬王は馬と角、金銀4枚に守られて入王目前。「入王が確定すれば持ち駒も豊富。(自身の)後手王が寄らなくなると思いました」。永瀬将棋の真骨頂でシリーズにけりをつけた。

 王座戦は連続5期、もしくは通算10期の獲得で現役でも満60歳で永世称号の名誉王座に就くことができる。中原誠十六世名人(75)が名乗り、すでに資格を得ている羽生善治九段(52)に次ぐ史上3人目へ、先月5日に誕生日を迎えたばかりの30歳が王手をかけた。「滅多にないチャンス。いつも通り、頑張るしかない」。終局の疲れも見せず、言い切った。

 午前9時対局が始まり、戦型は千日手指し直しになった第2局の2局を含め、5局連続の角換わりになった。その後、豊島は王を穴熊へ、永瀬は右王に囲い、正午からの昼食休憩までに77手進んだ。昼食休憩までに93手進んだ第2局に次ぐ早い進行になった。

 途中の進行については「神経を使う展開で、網が敗れるとダメにしてしまう。厳しい時間が続きました」。豊島の穴熊に対して自王は薄く、王飛接近。豊島の成香2枚による挟み撃ちを際どくしのいで入王を確定させるとともに終局時、8枚の持ち歩を駒台に乗せて相入王での点数勝負でも優位に立った。

 今後は本社主催・第72期ALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグがターゲットになる。1回戦は糸谷哲郎八段(33)に勝利し白星発進した。「1勝でも多く挙げないと残留もきついリーグなので」。無欲で2年ぶりの挑戦へ挑む。

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2022年10月4日のニュース