旅行の専門家「世界から見たら恥ずかしい」日本の外国人観光客の受け入れ遅さを指摘 経済損失も言及

[ 2022年6月4日 11:34 ]

ABC朝日放送社屋
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 航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏が4日放送のABCテレビ「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(土曜前9・30)に生出演。日本の外国人観光客受け入れ策について言及した。

 番組は、新型コロナウイルスによる入国時の水際対策を今月から緩和したことを紹介した。アメリカ、イギリス、韓国など98カ国から日本に戻る際はワクチン未接種でも日本帰国時の待機はなく、検査も免除。インドやベトナム、ウクライナなど99カ国はワクチンの3回接種証明で待機なしとし、パキスタン、フィジー、アルバニア、シエラレオネの4国は最短でも3日の待機が必要とした。

 また、外国人観光客の受け入れについては、今月10日から感染リスクの低い国や地域から添乗員付きのツアー客に限り、外国人観光客の受け入れを再開する。

 これについて鳥海氏は「世界から見たら恥ずかしい」と受け入れの遅さを批判。「今、僕らが海外に行くのもそうですけど、海外の人が海外旅行行くのもそうですけど、コロナ前に好きだったところに久しぶりに行きたい。2年ぶり、3年ぶりに行きたい。コロナ禍でやっぱり安全というか自分が旅慣れて土地勘あるところに行きたい人が多い中で、ほとんど個人旅行なんですよ。団体旅行限定というのも時代遅れ」と指摘した。

 さらに、G7の観光客受け入れ体制も紹介。アメリカ、ドイツ、カナダはワクチン接種証明で入国が可能で、フランスはワクチン未接種者はPCR検査で入国可能。さらに、イタリア、イギリスについては規制がないことから、日本の“鎖国”ぶりを取り上げた。

 外国人観光客や長期滞在者の経済効果は19年に7兆5000億円だったが、21年は約20分の1の3600億円にとどまっており、7兆円超の損失が日本経済にあったとし、鳥海氏は「円安で1ドル130円というなかで、海外の人は自分の国の通貨を日本円に交換して得だと思って日本行きを非常に待っている。ただ、日本は上限もあるし団体じゃなきゃだめだし、まずビザを取らなきゃいけない手間もある」と観光がもたらす経済効果は大きいにも関わらず、日本は儲けるチャンスを捨てているのではとした。

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2022年6月4日のニュース