中村逸郎教授 ロシアの狙いは「黒海沿岸の制覇」でルーマニアやブルガリアも射程と分析

[ 2022年4月30日 13:01 ]

ロシアのプーチン大統領(AP)
Photo By AP

 ロシア政治を専門とする筑波学院大・中村逸郎教授が、30日放送のABCテレビ「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(土曜前9・30)に生出演。ウクライナ侵攻を続けるロシアの狙いについて言及した。

 中村教授はフリップを用い「ロシアの狙いは黒海沿岸の制覇!ルーマニアやブルガリアも射程に!」と語った。

 前提として、ロシアがウクライナ南部のヘルソンを制圧したと宣言し、来月からロシア通過ルーブルに移行することや黒海に面した港湾都市・オデーサに先週、ミサイル攻撃があったことを紹介。

 この2つの地域での動きをもとに中村教授はロシアの狙いを説明した。

 ヘルソンに関しては、南にクリミア半島があるため「クリミアに対してヘルソンを使って水とか食糧を供給するルートをつくりたいことなんです」と中村教授。現在はクリミア半島には東から橋で運んでいるが、この橋が突貫工事で作ったため老朽化が激しく「あまり使えないことがある。ヘルソンから(物資を)持って行きたい。ヘルソンはロシア軍にとって大切な地域」とした。

 また、オデーサは軍港と商業の港で、中村教授は「ロシアにとって黒海を制覇する上で非常に重要」と語った。「オデーサの軍港にはイギリスとかアメリカの艦隊がちょこちょこ入っているのが目撃されている」とし「今からロシア軍がオデーサに向けてどんどん入って、そこでもしかしたらNATO軍と本格的な戦争になる可能性が高い」とオデーサを巡る戦いが起きる可能性を指摘した。

 オデーサはウクライナにとってもヨーロッパへ穀物を輸出するための大事な港で「どうしてもオデーサの港は確保したい。ウクライナの経済にとって根幹、非常に重要。そこをロシアに取られてしまうとウクライナにとって痛手」とした。

 中村教授の説明に軍事専門家の小原凡司氏も「ロシアはこのまま西に進んでモルドバまでつなげると思います。黒海はロシアにとって非常に重要」と賛同。

 ルーマニアやブルガリアへの侵攻についても「将来的には取りたいと思います。でないと黒海に他の海軍の船が入ってきてしまう。ロシアがしっかり抑えてしまえば、他の国の海軍入れなくて済む」と可能性があるとした。

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2022年4月30日のニュース