変わる紅白 消えていく演歌 20年前半数以上も昨年は4分の1以下 若返りへさらなる“仕分け”も

[ 2021年10月18日 05:30 ]

東京・渋谷のNHK
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 今後、紅白歌合戦はどうなっていくのか。

 演歌・歌謡系の出場者は、2000年が全56組中31組と半数以上だったのに対し、昨年は41組中9組と4分の1以下に。史上初めて半数以下(54組中21組)となった02年以降、減少を続けてきた。音楽事務所の幹部は「紅白の人気を支えてきたのは演歌勢なのに、五木さんまで出なくなるとは。演歌・歌謡系の出場者は今後も減らされていくだろう」との見方を示した。

 紅白は近年、若者向けのブランディングに成功。18年には米津玄師(30)、昨年はYOASOBIが紅白をテレビ初歌唱の場とし、若者の関心を集めた。2組とも初出場ながら、異例の中継での出番が用意されたことは、紅白独特の盛り上げ演出に参加したくない若いアーティストの間で話題に。紅白が視聴者、出場希望者ともに若者の掘り起こしに成功した結果、年齢層の高い演歌・歌謡系の出場枠がますます圧迫された。

 連続出場を続け、今年で通算出場記録の単独1位が懸かっていた五木を外したのも、こうした傾向が背景にある。昨年、白組の演歌・歌謡系の出場者は5組で、五木を除くと、アイドル的な人気を誇る純烈らに絞られていた。その中でも氷川きよし(44)は19年に「きよし君にはさよなら」と宣言し、2年連続で脱・演歌のステージを鮮明にした。昨年、史上最も少ない4組にまで減った紅組も、30代以下の若い演歌・歌謡歌手の活躍が乏しく、さらなる容赦ない“仕分け”の手が及ぶ可能性は高い。

 ただ、現在でも「うたコン」や「のど自慢」などの番組を通じて、最も演歌・歌謡に力を入れているのがNHK。それだけに、若返りする紅白の受け皿となるような番組を作るなど、演歌・歌謡勢にどう向き合っていくのか注目される。

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2021年10月18日のニュース