藤井聡太2冠 単独2位の順位戦22連勝 B級1組順位戦の開幕局で三浦弘行九段に勝利

[ 2021年5月14日 00:48 ]

 藤井聡太2冠(18)=王位、棋聖=が13日、東京・将棋会館で第80期名人戦B級1組順位戦の開幕局に臨み、三浦弘行九段(47)に109手で勝利した。終局は14日午前0時26分。藤井は順位戦の連勝記録を22とし、単独2位になった。

 終局後、藤井は「玉の薄い状態で飛車を手放したので」と92手目まで中住まいだった玉型を不安視したという。「ずっと苦しいのかなと思っていたが、攻め合いの形になって難しくなったと思った」と転機を振り返り、B級1組での初戦白星については「苦しい時間が長かった。これからも厳しい相手が続く。より一層気を引き締めていかないといけない」と自らを戒めるように話した。連勝記録については「自分としては全く意識してない。次の一局に新たな気持ちで臨めれば」と淡々と語った。

 19年2月、C級1組で近藤誠也七段(24)に敗れて以来、羽生善治九段(50)、渡辺明王将(37)=名人、棋王の3冠=と並んだ21連勝から抜け出した。1位は森内俊之九段(50)の26。6日、王座戦の挑戦者決定トーナメントで深浦康市九段(49)に105手で敗れ、昨秋からの公式戦の連勝は19で止まったが、名人挑戦権を競うA級へとつながる順位戦での連勝は2年あまり継続してきた。

 戦型は横歩取り。先手藤井は対局開始から快調に指し手が進み、藤井が「青野流」と呼ばれる好戦的な布陣を選択した。飛車が横歩を取った位置のまま、右桂を跳ねて三浦角を標的とした。角交換の後、さらに左桂も跳ねて全軍攻撃の態勢を敷いたが中盤は受けの手を連発して劣勢に。それでも突出した終盤力を武器に、寄せ合いで逆転した。

 両者の対戦成績は藤井の3勝1敗。19年8月、JT杯で敗れて以降、同年9月の第69期大阪王将杯王将戦の挑戦者決定リーグと今年2月の朝日杯は藤井が勝利した。

 通称「鬼のすみか」とされるB級1組は実力者ぞろいで、多くの若手有望棋士が足止めを食ってきた。現在も13人中、三浦以外に久保利明九段(45)や郷田真隆九段(50)の王将経験者、藤井自身も含めば半数近い6人がタイトル経験者。来期のA級昇級を目指し、総当たりで2枠の昇級枠を争う。

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2021年5月13日のニュース