Gグローブ賞が存続危機 トム・クルーズ、過去に受けた賞返上 “黒人ゼロ”主催に反発か

[ 2021年5月13日 05:30 ]

トム・クルーズ(AP)
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 米映画賞「ゴールデン・グローブ賞」を主催するハリウッド外国人記者協会の会員に黒人が一人もいないなどと批判が出ている問題で、米メディアは11日までに、俳優トム・クルーズ(58)が過去に受けた賞を返上したと伝えた。

 クルーズは1990年に「7月4日に生まれて」で、97年に「ザ・エージェント」でそれぞれ主演男優賞を受賞。2000年「マグノリア」の助演男優賞と合わせた3つのトロフィーを協会へ送り返したという。また女優スカーレット・ヨハンソン(36)も協会を批判する声明を発表。一部会員による「性差別的な質問や発言」を理由に、ここ何年も協会の記者会見への出席を拒んできたと説明。組織の抜本的な改革がなされなければ、映画業界全体として協会とは距離を置くべきだと訴えた。

 同賞は44年にスタート。今年の2月以降、同協会の閉鎖性や、会員への高額な資金提供や接待が問題化。協会側は自己改革案を発表したが、批判はやまず、NBCテレビが来年の授賞式の中継を取りやめると発表した。「アカデミー賞の前哨戦」と言われる同賞が存続の危機に陥っている。

 ▽ゴールデン・グローブ賞 ハリウッドで活動する外国人記者が投票で選ぶ。投票権を持つ協会会員は約100人。日本人も数人いる。映画部門とテレビドラマ部門があり、映画はさらに「ドラマ」と「コメディー&ミュージカル」に分かれている。アカデミー賞よりは大衆的な作品が選ばれる傾向にある。主な日本人受賞は、87年「ラストエンペラー」と90年「シェルタリング・スカイ」で坂本龍一、93年「天と地と」で喜多郎がともに作曲賞受賞。公式テーマソング「ゴールデングローブのテーマ」は日本のミュージシャンYOSHIKIが作曲。賞金はない。

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2021年5月13日のニュース