ヤクルト・村神様 CS1号 逆方向に逆転V2ラン 雨で冷えた神宮沸かす連勝

[ 2022年10月14日 05:20 ]

セCSファイナルステージ第2戦   ヤクルト5-3阪神 ( 2022年10月13日    神宮 )

<ヤ・神>3回、村上は逆転2ランを放ちバットを放り投げる(撮影・村上 大輔)
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 セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦は、レギュラーシーズン1位のヤクルトが5―3で3位の阪神を下し、アドバンテージも含めて3勝とし、2年連続の日本シリーズ進出に王手をかけた。4番の村上宗隆内野手(22)が3回に自身CS初アーチとなる決勝の逆転2ラン。19年巨人・岡本和の23歳3カ月を抜き、CS史上最年少4番本塁打になった。きょう14日は勝つか、引き分けで突破が決まる。

 雨が降りしきる神宮の夜空を切り裂いた。村上がバットを持ったまま左翼に上がった打球を見つめる。スタンドインを見届けると、ベンチに向かってバットを投げて吠えた。逆転の決勝2ランだ。

 「いい流れだったので、ここで打つしかないと。追い込まれていたので、何とか前に飛ばす、厳しいコースはカットするぐらいの気持ちだった。低めでしたが、しっかりと押し込めた。いったなと」

 初出場した昨年から通算18打席目で出たCS初アーチ。1点を追う3回2死一塁。フルカウントから、藤浪の外角低め直球をはじき返した。19年の岡本和(巨人)の23歳3カ月を抜いて、22歳8カ月でのCS史上最年少4番弾。今CS初安打は、代名詞の逆方向へのアーチだった。

 入団当初から逆方向への飛距離はずぬけていた。入団1年目の18年の2軍戸田球場。調整で2軍で練習していたエース小川が打撃投手で登板した。打席に立った18歳の少年が、逆方向の左翼へ3球連続で柵越え。軽々と運ぶ姿に関係者たちは度肝を抜かれた。

 前日の第1戦、ゲスト解説で神宮を訪れた元巨人、ヤンキースの松井秀喜氏(48)が初めて生で村上の打撃を見届けた。典型的なプルヒッターだった松井氏から「広角に本塁打が打てる」とストロングポイントとして称えられた逆方向への打球。今季の活躍を前に「55番といえばもう私じゃない。村上選手だと思う。そういう時代」と和製長距離砲が背負う55番伝説の後継者に指名された。

 初回2死一塁の第1打席は雨が強まり、カウント2―1で38分間の中断。「リラックスしていた。グラウンド整備くらいから体を動かして集中した」と自転車をこぐなどして準備。再開後はボールを見極めて四球で出塁。好球必打で次打席のアーチにつなげた。どんな環境でもマイペースに自分を貫く姿も、どこか大先輩にかぶる。

 「まだまだ遠い存在。もっと努力して松井さんのような、人として尊敬される人間になっていきたい」と大先輩に誓った。同じ背番号を背負い、松井氏にはなかった逆方向への力強いアーチで2年連続日本シリーズ進出に王手。村神様に率いられ、スイープがはっきり見えた。(青森 正宣)

  ≪史上最年少CS4番弾≫村上(ヤ)が3回にCS初本塁打。22歳8カ月でのプレーオフ、CS4番弾は19年ファイナルS第1戦の岡本和(巨)の23歳3カ月を抜く最年少記録となった。なお、日本シリーズの最年少4番弾は86年の清原和博(西)で19歳2カ月となっている。

 ≪無傷王手は突破100%≫ヤクルトとオリックスが連勝しアドバンテージの1勝を含め3勝0敗。ファイナルS突破に王手をかけた。過去、プレーオフ、CSで、先に日本シリーズ出場へ王手をかけた40チームのうち37チームが進出し突破率は93%。今回のように無傷の王手は20チーム全て勝ち抜いており同100%になる。昨年もヤクルト、オリックスともに連勝で王手をかけ、第3戦はともに引き分けで突破を決めた。両チームは14日の第3戦で勝つか引き分ければシリーズ進出が決まる。

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