世紀のずっこけから1年…ヤクルト塩見、今年もMVPならず でも、その手にはなぜかMVPボードが

[ 2022年10月14日 22:15 ]

セCSファイナルステージ第3戦   ヤクルト6―3阪神 ( 2022年10月14日    神宮 )

<ヤ・神>MVP発表時に塩見は村上と高津監督に促されて前に出る(撮影・大森 寛明)
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 ヤクルトの塩見泰隆外野手(29)が2年連続9度目の日本シリーズ進出を決めた阪神とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦(神宮)後に行われたセレモニーでスタンドを沸かせた。

 第1、2戦に続いて「1番・中堅」で先発出場。チームは劇的な逆転勝ちで3連勝し、アドバンテージ1勝を含めて4勝0敗として日本シリーズ進出を決めた。だが、セレモニーが始まる前の整列時から早くも周囲では怪しい動きが…。高津臣吾監督(53)がニヤニヤしながら塩見に何やら話しかけると、塩見もまんざらでもなさそうな表情。主砲の村上宗隆内野手(22)らも笑顔を見せる中でセレモニーが始まり、いざMVPが発表される直前だった。

 高津監督に背中をドンと押された塩見は笑顔でどんどん前へ。塩見は第2戦で2安打、第3戦のこの日も帝京大時代の同期生である青柳から二塁打を放ってはいるものの打点なし。MVPとは考えられない状況だった。だが、ここで思い出されるのは1年前。巨人と対戦した昨年のCSファイナルステージ(神宮)では打率・400(10打数4安打)、4打点と大活躍。日本シリーズ進出を決めた第3戦後のセレモニーでMVPでは?と周囲の選手たちにおだてられてすっかり“その気”?になり、そわそわドキドキしたのが塩見だった。だが、MVPとして奥川の名前が場内アナウンスされると、おだてていた村上ら周囲の選手たちとともに吉本新喜劇ばりにずっこけ。大きな話題となっていた。

 誰の脳裏にも1年前の残像がある中、高津監督も悪ノリ?し、塩見もそれに乗っかった。実際にMVPがホセ・オスナ内野手(29)と発表されると、今回は“お約束”のずっこけはなかったものの、高津監督も塩見もオスナもみんなが笑顔。オスナがMVP賞金100万円のボードをもらって整列に戻ってくると、それを受け取った塩見はうれしそうに掲げて笑みを浮かべた。そんな選手たちを楽しそうに見つめる高津監督。塩見の口は「恥ずかしい…」と動いたようにも見えたが、指揮官とナインがつくり上げたヤクルトの雰囲気の良さが今年も垣間見える微笑ましいシーンとなった。

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