森繁和氏　オリックス最大の武器は「ワンポイント」でなく「1イニングを完全に任せられる」救援陣の厚み

パCSファイナルステージ第2戦   オリックス4ー3ソフトバンク （ 2022年10月13日    京セラD ）

＜オ・ソ＞9回から登板した阿部（撮影・岡田　丈靖）
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　【森繁和　視点】オリックスの救援陣は素晴らしい。変化球が多彩な先発左腕の宮城を5回で降ろして宇田川から山崎颯、ワゲスパックと継投。3人とも長身の右の本格派。一見同じタイプに見えるが、腕の振りも微妙に違うし、フォークの落ち方も違う。ワゲスパックにはチェンジアップもある。3人とも変化球でストライクが取れるしピンチを迎えたら直球勝負。打者は押し込まれる。

　オリックスの救援陣にはソフトバンクの嘉弥真のような左のワンポイントは一人も入っていない。左に左をぶつけて攻撃をかわしていくのが従来の考え方だが、中嶋監督も高山投手コーチもワンポイントでつなぐ発想はない。1イニングを完全に任せることを前提に球に力のある投手で救援を編成している。6、7、8回を1人ずつで賄って最後は経験のある平野佳か阿部。阿部は155キロ近い速球はないが、低めに球を集める制球があり大崩れしない。

　1点差の試合を平野佳と本田ら救援陣を余らせて勝ちきった。延長にもつれこめばさらに強さを発揮する。少し気が早いが厚みのある救援陣が日本一への最大の武器になる。（スポニチ本紙評論家）