阪神・藤浪、痛恨の一球 これで見納めは寂しすぎる…もう一度背番号19の勇姿が見たい

[ 2022年10月14日 05:15 ]

セCSファイナルステージ第2戦   阪神3―5ヤクルト ( 2022年10月13日    神宮 )

セCSファイナル<ヤ・神>3回、村上(左)に逆転となる2ランホームランを打たれる藤浪(撮影・椎名 航)
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 3冠王の一振りに屈した。雨に打たれながら力投していた藤浪にとって悔恨の一球は、1点リードの3回2死一塁。村上にフルカウントから投じた外角低めの直球を、逆方向へ運ばれる左越え逆転2ランを被弾した。

 「失投ではなかったですが、うまくホームランを打たれてしまいリードを守ることができずに申し訳ない」

 本人の言葉通り、甘いボールではなかった。シーズン56本塁打の主砲に脱帽するしかないとはいえ、短期決戦では痛恨の一発になった。試合前の時点で20年から10打数無安打5奪三振と圧倒していた相手。大事な一戦でやり返され、相手に主導権を渡してしまった。

 「早めの継投もあると思っていたので、序盤からしっかり強いボールを投げ込む意識でした」

 “CSモード”で腕を振った。試合前から降っていた雨はマウンドに上がった直後に強まり、初回2死二塁で38分間の中断。再開後は村上への四球と暴投で一、三塁のピンチを背負ったが、オスナを中飛に仕留めるなど2回まで無失点と上々の立ち上がりだった。足場がぬかるむ悪環境の中、9月18日以来、1カ月ぶりの先発マウンドにも対応。1イニングでも長く、1アウトでも多く…と意気込んだが3回2安打2失点で降板となった。

 ポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦の意思を表明してから、初めての1軍での登板。この夜も複数のメジャー関係者が熱視線を送り、ヤンキースの環太平洋地域スカウトのアレックス・サンダーランド氏も「いろんな選手を見ている。藤浪選手もその中の一人」と話した。

 チームはアドバンテージも含め0勝3敗と後がなくなった。登板機会は再び巡ってくるのか。もう一度、背番号19の勇姿を見たい。(遠藤 礼)

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2022年10月14日のニュース