鈴木啓示氏　阪神は初回1点止まりが最後まで響いた　1点リードは投手にとってプレッシャーになることも

セCSファイナルステージ第2戦   阪神3―5ヤクルト （ 2022年10月13日    神宮 ）

鈴木啓示氏
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　【鈴木啓示　視点】終始、雨が降る悪天候の中での登板となった藤浪だが、状態自体はそこまで悪くなかった。投球テンポも良かった。ただ、少しストライク、ボールがハッキリとしており、勝負に行った球が高めに浮いたり、抜けたりもしていた。とはいえ村上に打たれたのは外角低めの直球系で、決して悪い球ではなかった。あれは、打った村上をほめるしかない。あの球を左翼ポール際に持って行かれては、もう仕方がない。

　結果論となるが、初回の攻撃が1点どまりに終わったことが、最後まで響いた。阪神は1点を先制してなおも1死一、二塁で追加点を取ることができず。逆にピンチを“1点でしのいだ”ヤクルトを勢いづけてしまった。1点リードというのは時に、投手陣にとってプレッシャーになることがある。CSのような緊張感のある試合は、タダでさえプレッシャーがかかる。その中で1点のリードを守ろうと思えば、さらに大きな重圧となる。初回の好機でもう1～2点でも取れていたら、藤浪の投球も、試合展開も、違ったはずだ。（スポニチ本紙評論家）