オリックスの“CS男”杉本が本領 同点打と昇天弾で突破王手「今年もMVP取れるように」

[ 2022年10月14日 05:00 ]

パCSファイナルステージ第2戦   オリックス4ー3ソフトバンク ( 2022年10月13日    京セラD )

<オ・ソ>5回1死二塁、左越えに2点本塁打を放った杉本(中央)は吉田正(右)と昇天ポーズ(撮影・奥 調)
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 パのファイナルステージ第2戦は、オリックスが4―3でソフトバンクに連勝し、アドバンテージも含めて3勝。2年連続の日本シリーズ進出にあと1勝とした。昨季パCSのMVPに輝いた杉本裕太郎外野手(31)が同点の5回に左越えの決勝2ラン。「CS男」が大舞台での勝負強さを発揮した。

 ソフトバンクを昇天寸前に追い込んだのは、「ラオウ」こと杉本の一振りだった。2―2の5回1死二塁。大関の初球、真ん中寄りに甘く入った148キロ直球を見逃さない。力感のないスイングで、左翼席へ豪快に放り込む決勝1号2ランだ。

 「感触も完璧でしたし、コトイチ(今年一番)だと思います。野球選手は略すことが多いし、みんなも普通に言っている若者用語…31歳ですけど。もっとコトイチを更新できるように頑張ります!」

 悠々とダイヤモンドを一周。ベンチ前では、青学大の後輩・吉田正と右拳を突き上げる「昇天ポーズ」で場内を沸かせた。

 昨季CSのMVP男が、得意の舞台で“再降臨”した。先制された直後の初回2死満塁では板東に2球で追い込まれながら、遊撃・今宮のグラブを弾く同点の適時内野安打。3回の第2打席でも中前打を放つなど3安打猛打賞と大暴れだ。前夜の初戦は2安打2打点と先勝に貢献。これで2試合で7打数5安打5打点だ。

 中嶋監督からも「元々そこ(打線)に、いなければいけない打者ですから。普通に、復調というか、いい感じになったのは打線としていいことだと思う」と称えられた。

 我が生涯に悔いを残すところだった。今季は105試合で打率・235、15本塁打、51打点。開幕から不振にあえぎ、コロナ感染や故障にも見舞われた。昨季32発で本塁打王に輝いた実績を考えれば物足りなさは残った。

 「いっぱい悔しい思いをしました。こうやってCSで、やり返すチャンスをいただいていて、ずっと“絶対にやり返してやろう”という思いでいました。去年のCSもMVPをいただいたので、今年も取れるように」

 2年連続となるスイープでの日本シリーズ進出に王手だ。「あと1勝ですが、足元を見つめ直して、明日から、また打てるように全員で頑張ります」。世紀末覇者が覇道を歩む。(湯澤 涼)

 ≪無傷王手は突破率100%≫オリックスとヤクルトが連勝しアドバンテージの1勝を含め3勝0敗。ファイナルS突破に王手をかけた。プレーオフ、CSで過去に無傷で王手の20チームは全て勝ち抜いており、突破率は100%。両チームはきょう14日の第3戦で勝つか引き分ければシリーズ進出が決まる。

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2022年10月14日のニュース