須江航監督の「予感」を外した仙台育英の「弟ズ」 来春の選抜選出当確に「短い時間で選手が頑張った」

[ 2022年10月14日 20:15 ]

秋季東北大会準決勝   仙台育英 2―1 能代松陽 ( 2022年10月14日    荘内銀行・日新製薬スタジアムやまがた )

2季連続の甲子園出場に大きく近づいた仙台育英・須江監督(手前)(撮影・柳内 遼平)
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 今夏の甲子園で東北勢初の日本一に輝いた仙台育英(宮城)が14日、秋季東北大会準決勝で能代松陽(秋田)を2―1で下し、2年ぶりの決勝進出を決めた。東北地区は来春選抜の出場枠が3校で選出を決定的とした。明治神宮大会(11月18日開幕、神宮)の出場が懸かる16日の決勝は宮城大会決勝で敗れた東北との「宮城勢対決」に挑む。

 歴史をつくった「日本一」から12日後、新チームは9月3日に始動した。須江航監督は当日、「日本で一番始動が遅い」と笑ったが、内心は「良いことがあれば悪いことがある。それがこの秋になるんじゃないか」と不安だった。指揮官の予感は良い方向に外れた。

 引っ込み思案な性格から「弟ズ」と須江監督が命名した新チームは、一戦ごとにたくましくなった。能代松陽との大一番も1点差で競り勝ち、2季連続の甲子園出場を当確とした。指揮官は「想定した以上の成果。そんなに甘くないです。人生と野球って。それを短い時間の中で選手が頑張った。努力が素晴らしかった」と称えた。

 「甲子園を知る男」のマウンドさばきはひと味違った。今夏の甲子園では4試合の登板で防御率0・75とフル回転した新エース・高橋煌稀(こうき・2年)は、4回1死一、二塁から2番手で登板し、5回2/3を2安打無失点で7三振。最速146キロ右腕は6回に勝ち越した1点を守りきり「どんな場面でも落ち着いて投げることができた」と振り返った。

 16日の決勝は、9月26日の宮城県大会決勝で1―2で惜敗した東北と再戦。先発が予想される東北のエース右腕・ハッブス大起(2年)との投げ合いに向けて高橋は「負けてからみんなで“東北大会でリベンジするぞ”と頑張ってきた。何としても神宮に行きたい」と言った。再スタートを切ったその日、ゼロから再び頂点を狙うために須江監督が立てた目標は「2回目の初優勝」。来春選抜での挑戦権を手中に収めた。(柳内 遼平)

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2022年10月14日のニュース