阪神・矢野監督が前半戦を総括「めちゃくちゃ苦しい開幕からよくここまで…」投打のMVPは…

[ 2022年7月24日 16:37 ]

前半戦の総括をする矢野監督(撮影・平嶋 理子)
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 阪神の矢野監督が24日、DeNA戦の前に前半戦を総括した。開幕9連敗を喫し、一時は借金が16までふくれあがった。どん底から挽回した戦いを振り返り、前半戦の投打のMVPに、野手は、球団タイ記録の30試合連続安打をマークした近本、近本に次ぐリーグ2位の111安打を打っている中野の名を挙げた。投手は、11勝の青柳と21セーブの岩崎を指名した。

 ──きょうまだ大切な試合を残しているが、前半戦の総括を。今年の前半戦を率直にどう振り返るか
 「いやもうめちゃくちゃ苦しいね、開幕のスタートから、よくここまで全員で持って来られたな、というのが正直なところです」

 ──ここまで持ってこられた要因は
 「それはありきたりになりますけどね、僕もこの4年間ずっと“やり方よりあり方、という部分が大事じゃないか”って。今の野球生活をよくするためにも、これからの野球人生をよくするためにも、ずっと必要なことっていうのは、やっぱりあきらめないとか、挑戦するとか、失敗から学ぶとか、やっぱりそういうものが僕ら野球人にとっても大事なところなので。そういうところでは、ああいう苦しい開幕のスタートになっても、やっぱりあきらめないで挑戦して、チーム全員で戦って、ピンチをチャンスに変えて戦ってきた。そういうものが、みんなが苦しくて苦しくてね、あきらめそうになったところでもそうやってやってくれた、結果かなと思っています」

 ──恒例の質問になってしまうが、投打でそれぞれMVPを挙げるなら、まず野手は
 「野手はね、まあ近本と中野かなと思っています。(近本は)全試合フルイニングで出てくれていますし。目立つとなると打点を挙げたり、ホームランを打ったりという選手が目立つ試合が多いかもしれないですけど、この2人が当たり前のように試合に出て、その中で機能してくれて、というのがやっぱり僕たちの野球なので。そういうところでは野手はその2人かなと思います」

 ──この2人の話でいうとスピードというところか
 「僕たちの野球の中で走るっていうのは大きなテーマの1つでもあるので、そういうところでは、相手にプレッシャーを、走るというところでプレッシャーをかけられるっていう選手なので。そういう部分でも、相手にとっても嫌な存在にになってくれています」

 ──チーム状況で1、2番から今は1、3番になっているが、頼もしい
 「そうですね、中野が1番に行ってまた思い切りが出るような形になりましたし。まあそれはね、島田を2番で打たしたり、山本だったり。そういう部分が伸びて来てくれたっていうのももちろん関係してくるんですけど。近本も、本当はたぶん1番の方が本人的にもね、いいかなと思っていると思うんですけど、3番でもしっかりね、近本らしくやってくれているんで、それは非常に助かっています」

 ──投手のMVPを挙げるなら
 「数字からいってね、ヤギ(青柳)が、スタートが遅れましたけど、数字的にも1人で貯金10個(11勝1敗)ですから。まあそういうところではヤギになると思いますし。もう1人はやっぱり岩崎を。若いピッチャーも増えたんでね、お手本になってくれるピッチャーがいてくれるのは、湯浅の成長であったり、浜地の成長だったり、他の若いピッチャーも見て学ぶであったり、聞いて学ぶところはあったかなと思います」

 ──青柳はどのあたりに成長を感じるか
 「弱点とされている左バッターをどう抑えるか、またフィールディングも本当に上手くなっている。(相手チームが)左バッターを多く並べてくれたおかげでね、ヤギの左バッターに対する対策と成長につながった。常に、成長したい、いいピッチャーになりたいという部分にもつながったと思っていますし。本当に、みんなあきらめないですけど、ヤギはいつもあきらめずに挑戦する選手なので、それは素晴らしいなと思っています」

 ──岩崎はマウンドに上がってプレーヤーというところか、精神的なところか
 「後ろ(抑え)の経験がないんでね。どうやって試合前に動いとくのかなとか、疲れたところでどうやってやるのかなとか、もちろん優自身も聞いて学ぶところはあると思うんですけど、やっぱりそういう選手がいてくれるっていうことは助かりますし、それは表面にガーッと出るようなタイプではないですけど、内面の方ではすごくそういうものがありますし。特にやられたあとはやり返すって気持ちをすごく持っている投手なので、そういうところも若い選手にいい影響というか、そういうものが及んでいると思います」

 ──育てなくては、作っていかなくてはという前半戦だったブルペン陣については、どう振り返るか
 「浜地、湯浅は、勝ちパターンにも入って来られるような、もともと高い能力は持っていると、評価をしていましたし。その中でしっかり、本当に今、貪欲に野球が楽しくやれているところなので。そういうところが本人の自信にもつながっていると思いますし、もっともっといいピッチャーになりたい、もっともっといい場面で投げて、周りの人たちのためにもうまくなりたいという気持ちが、今シーズンの成長の中であるので。もともとの能力はあったと思うので。やっぱり経験から学び、成長している感じはします」

 ──その2人の前半戦の成長は、監督の想定内か、それを上回るか。
 「まあまあ、想定していますね。これぐらいはやって当然と言うとちょっと辛口ですけど、でも、それぐらいやれる可能性を持っていると、ずっと思っていましたし。びっくりもするわけじゃない。まだまだ良くなると思いますし、みなさんにもっとすごい投手だと思ってもらえるような能力が、まだ隠れている部分があると思うんで。まだまだ成長していくと思います」

 ──後半戦の課題は?
 「負ければ、エラーやミスだったり打てなかったり、1点がね、試合が取れなかったりとかいろいろあると思うんですけど、欠点を見るよりは自分たちの野球を見つめていきながら、挑戦していきながら。ミスは絶対起こるんでね。でもそのミスを取り返すように、選手たちの背中をこれからも押していきたいですし。あれはだめ、これはだめって言うんじゃなくてね、もっとこうやったら良くなるよとか、こうやったら面白いプレーになるよっていうね、その域まで行ってくれたら、やっぱり奇跡を信じながら、ドラマをつくれるよう自分たちを信じながら戦っていくというのは、後半戦必要になると思うのでね。選手の背中を押すことを、コーチを含めてやっていくことが、後半戦には必要かなと」

 ──後半戦ドラマをつくっていくためのキーマンを挙げるなら
 「まあキーマンについてはよく言われるんですけど、一人でキーマン、結果的にキーマンといってもなかなかそうはならないので、ある意味、僕はファンのみなさんを巻き込んでいくことかなと。本当にみなさんが僕らのドラマを信じてくれて、奇跡を信じてくれて、それを僕たちもパワーにかえて。で、僕たちもそこから上げていく。そういう期間がつくられた時に、最終的に誰かが、“あいつがキーだったな”ってなると思うんですけど。僕たちがこっから上がっていくためには、誰か一人では勝てるチームではないので、チーム全員で戦うっていうところが僕ら目指すところ、到達できるところだと思っているので。今、12球団一のファンのみなさんに球場で応援してもらっていますし、すごい応援をしていただいていますけど、ここからさらにみなさんの応援が僕たちのパワーに変わっていけるので、そのあたりをまたお願いしたいと」

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