エンゼルス・大谷 ルース以来の偉業お預け…援護ない中で6回まで1安打11Kも7回急変2発6失点KO

[ 2022年7月24日 02:30 ]

インターリーグ   エンゼルス1ー8ブレーブス ( 2022年7月22日    アトランタ )

<ブレーブス・エンゼルス>6点を失い7回途中で降板する大谷(撮影・大森 寛明)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)は22日(日本時間23日)、後半戦初戦のブレーブス戦に先発し、6回1/3を6安打6失点、11三振で今季5敗目(9勝)を喫した。あと1勝に迫る1918年のベーブ・ルース(レッドソックス)以来の「2桁勝利&2桁本塁打」は次戦以降に持ち越した。95年野茂英雄(ドジャース)を超えて日本投手新記録となる5試合連続2桁奪三振とし、6回までほぼ完璧だったが、打線の援護がなく7回に崩れた。

 大谷がうつむいた。痛恨の一発だった。0―0の7回。先頭のスワンソンにこの日初四球を与えると、続くオルソンに浮いたスプリットを捉えられた。右越え先制2ラン。4万2867人の敵地の大観衆が、右手を大きく揺らす名物応援スタイルのトマホークチョップを大谷に浴びせた。

 「ラストイニング(7回)だけが悔やまれる。先頭の四球が痛かった。悪い流れの中で、先頭を切れなかったというのが一番」

 両軍無得点の均衡状態だった。「“今のうち(エ軍)”にとっては重い2点だった」と振り返るように、緊張の糸が切れたのか、この一発から4連打でさらに1点を失うと、8番アルシアに3ランを浴びてKOされた。今季自己ワーストタイの6失点。「どちらも本塁打は失投。甘く入ったらしっかり振ってくるのが上位のチーム」。昨季ワールドチャンピオンで、今季リーグ断トツ150本塁打を誇るブ軍打線に、一つのほころびから畳みかけられた。あと1勝に迫るベーブ・ルース以来の「2桁勝利&2桁本塁打」は持ち越し今季5敗目で自身の連勝は6で止まった。

 ただ、6回までは今季ベストに近い快投だった。悪天候で開始が55分遅れた中、2回の7番オズナにメジャー自己最速101・2マイル(約162・8キロ)を計測するなど体は切れていた。6回まで1安打に封じ、日本投手最長の5試合連続2桁奪三振となる11三振。5回の打席で登板日での初死球を左足爪先付近に食らったが影響は感じさせず。6回終了時点でまだ71球で「空振りも取れていたし、球数の調整もできていた」。紛れもなく試合を支配していた。

 地区4位に沈むチームは主砲トラウトを故障で欠く。この日も味方の援護はなく、6回までの好投をふいにした格好だ。「どんな状況でも100球くらいはいかないと、今のうちにとってはきついかなと思う。あの球数なら8、9回までいかなきゃいけないような試合展開だった」。次回登板は28日(日本時間29日)か、29日(同30日)の本拠地レンジャーズ戦が濃厚。投打ともに大谷頼みが深刻な中、ホームで偉業達成を祝えるか。(柳原 直之)

 《野茂超え5戦連続2桁K》大谷の5試合連続2桁奪三振は、野茂英雄がデビュー年の95年に記録した4試合を抜き日本人新記録。球団記録は77年ノーラン・ライアンの7試合。大リーグ記録はコール(当時アストロズ、現ヤンキース)が19年に記録した9試合。また規定投球回に達し、奪三振率(9イニングあたりの平均奪三振数)12.92は両リーグトップに立った。2位以下はシース(ホワイトソックス)12.90、マクラナハン(レイズ)11.95、コール(ヤンキース)11.67と続く。防御率2.80はリーグ9位。

 ▼エンゼルスのフィル・ネビン監督代行(0―0の展開が続き)翔平は毎回、失点できないと思って投げなければならないから大変だった。いつもは無敵だが、今日はうまくいかなかった。

 ▼エンゼルスのスタッシ(バッテリーを組んだ大谷の投球に)明らかに良い仕事をした。6回までは今年一番の出来だった。ストライクゾーン内で攻めるから、球数が少なくても三振が多く奪える。

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2022年7月24日のニュース