また岩手から新怪腕!盛岡中央・斎藤響介、花巻東・麟太郎の夏終わらせ聖地王手

[ 2022年7月24日 04:00 ]

第104回全国高校野球選手権岩手大会準決勝   盛岡中央3ー2花巻東 ( 2022年7月23日    岩手県営 )

<花巻東・盛岡中央>6回、花巻東・田代を打ち取り、笑顔を見せる盛岡中央・斎藤(撮影・藤山 由理)
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 第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)の出場を懸けた地方大会は23日、各地で99試合が行われた。岩手大会の準決勝では盛岡中央が花巻東に勝利。プロ注目の右腕・斎藤響介投手(3年)は“怪物対決”となった佐々木麟太郎内野手(2年)に2安打を許すなど計9安打を浴びながら2失点で完投した。聖地まであと1勝。25日の一関学院との決勝でもチームを勝利に導く。

 壮大な野望を胸に秘めていた。斎藤は中学時代から岩手選抜に選出されるほど評価されていた。それでも甲子園常連校ではなく、滝沢市の自宅に近い盛岡中央を選択。理由は「強豪の花巻東さんや盛岡大付さんを倒して、甲子園に行きたい」から。そのチャンスは最後の夏にやってきた。

 今大会では盛岡市立との3回戦で9イニングの大会2位タイ記録となる1試合19奪三振を樹立し、自己最速を3キロも更新する152キロを記録。プロからの評価はうなぎ上りの右腕と東北屈指の強打線を誇る花巻東との「矛盾対決」が準決勝で実現した。1回戦から4試合で380球。盛岡三との準々決勝から中1日と決して万全の状態ではなかったが「肩の痛みとかは全然なく、良い調子だった」と笑顔でマウンドに駆けた。

 真っ向勝負。149キロを計測した直球で押して、押して、押しまくった。花巻東が狙い球から外していた高め直球でカウントを稼ぎ、鋭く変化するカットボール、フォークを駆使した。最大の注目は佐々木との“怪物対決”。菊池雄星(ブルージェイズ)、大谷翔平(エンゼルス)、佐々木朗希(ロッテ)に続く東北の怪物投手として、1学年下ながら高校通算74本塁打を誇る相手との対決に負けるわけにはいかない。「オーラがあって少し怖かった部分もあった」と初回に147キロ直球を右前打、5回は144キロ直球を右前打されたが、3―2と勝ち越した直後の7回は変化球で右飛に仕留めた。

 優勝候補に9安打を浴びたが、7三振も奪い2失点完投。「1週間に500球」の球数制限もあり、この日の上限は153球だったが、それに迫る147球でチームを勝利に導いた。斎藤が「花巻東が勝つと思っている人が多かったと思うけど、自分の投球ができてよかったです」と笑えば、奥玉真大監督も「響介には“残りの球数、全部いくぞ”と、何も気にせずに投げさせました」と喜んだ。

 99年夏以来2度目の聖地出場を目指し、25日は一関学院との決勝に臨む。球数制限もあって可能な投球数は133だが、斎藤は「全力で最後まで投げ切りたい」と誓う。ハードロックからクラシックまで幅広く音楽を愛する父・晋(すすむ)さん(56)から授かった「響介」の名。聖地出場で野望が完結すれば、名声は全国へと響き渡る。(柳内 遼平)

 ◇斎藤 響介(さいとう・きょうすけ)2004年(平16)11月18日生まれ、岩手県滝沢市出身の17歳。小3から竹の子スポーツ少年団で野球を始め、滝沢中では軟式野球部に所属。盛岡中央では1年夏からベンチ入りし、2年夏から背番号1。憧れの選手はオリックス・山本。50メートル走6秒5。遠投105メートル。1メートル77、72キロ。右投げ右打ち。

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