日本ハム・新庄監督が右足の裾を捲る理由 亡き愛犬との絆

[ 2022年7月24日 09:00 ]

HARTY(左)と握手を交わす日本ハム・新庄監督(撮影・島崎忠彦)
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 「ワン、ワン――」。日本ハム・新庄剛志監督(50)の公認応援歌「%1(イチパーセント)」の曲の終わりに、新庄監督がバリ島時代をともに過ごした愛犬ラナちゃんの生前の「声」が入っている。指揮官に「弟子」と呼ばれ、同曲をともに作詞作曲した歌手のHARTYはこう振り返る。

 「ライブであの声を聞くと思い出しますね。あの時の光景を」
 現役復帰を目指してバリ島でトレーニングに励んでいた19年。新庄監督に「いい歌を歌うアーティストを見つけた」とインスタグラムで紹介されたのがHARTYだった。これにお礼のダイレクトメッセージ(DM)を送ったことで親交がスタート。その1カ月後にバリ島へ向かうと、新庄監督の隣にラナちゃんがいた。

 新庄監督が子供のように溺愛していた姿を見て、HARTYは「ラナは戦友です。トレーニングしている時はいつも隣にいた。やる気、癒やし。ツーさん(新庄監督)の全てだった」。「%1」は新庄監督が現役復帰した際の打席に向かう登場曲用に共同制作したもの。一緒に夢を見たパートナーだからこそ最後に声を入れ、トライアウト前に完成した。

 しかし、20年12月のトライアウト直前。日本での最終調整のため帰国の準備を進めたが、ラナちゃんと一緒に帰ることはできなかった。検疫などの問題があり、新庄監督は「先に帰って迎えに来るからね」と伝えてバリを離れたが、トライアウトの約1週間前にラナちゃんの訃報が入った。その夜に新庄監督からHARTYの元に電話がかかってきたが、声はかすれていたという。

 「ツーさんはユニホームの右側だけまくるでしょ。本人は『おしゃれ』と言うかもしれないけど。よく、ラナは裾をまくったツーさんの右足でじゃれていたから」とHARTY。新庄監督は、今も天国の愛犬とともに戦っている。(記者コラム・清藤 駿太)

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