【スポニチスカウト部(7)】上武大・加藤泰靖 最速153キロ右腕 目標「ドラ1」へ筋力UP

[ 2022年4月5日 05:30 ]

今秋のドラフト1位指名を目標にする上武大・加藤
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 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第7回は上武大の加藤泰靖投手(21)。最速153キロを誇る本格派右腕は、チームの日本一とドラフト1位指名を目標に掲げ、さらなるレベルアップを誓う。

 今秋のドラフトに向け、加藤が「1位指名が目標」とするのには理由がある。1学年先輩の中日・ブライト健太が、昨秋ドラフトで1位指名を受けた姿を目の当たりにしたからだ。「身近なチームメートで(ドラフト1位が)出るというのは自分の中でも励みになる。圧倒的な投球をできるように、攻略しにくい投手になりたい」と向上心を持って練習に励む。

 この冬は圧倒的な投球を手に入れるため、ウエートトレーニングや投げ込みに注力。プロ入りを見据え「苦手なメニューもあるが、上に行くにはやらないと成長できない。モチベーションで左右されないように、やると決めたらやる」と、これまで以上に練習に取り組む意識も高くしている。

 今でこそ最速153キロを誇る本格派だが、実は投手を本格的に始めたのは志学館2年時から。それまでは小学生時代から主に捕手だった。高2の冬に「たまたまケガ人が多くいて、“短いイニングを投げてみろ”と監督に言われました」と紅白戦で登板。そこでチームメートを抑えたことで投手に転向した。

 当時の最速は130キロほどだったが、めきめきと力を付け、3年時には最速146キロをマークするまでに。捕手の経験は「地肩が強くなった」と球速アップに生きたといい「捕手だったら野球続けてなかった」と笑う。

 昨春の全日本大学選手権1回戦では、のちに西武から1位で指名される西日本工大・隅田に1―0、大学では初の完封で投げ勝った。ただ、「14三振も取られ、勝ったけど力の差を感じました。上には上がいる。投げ合えてよかった」とこちらも「ドラ1」に刺激を受けた。関甲新大学野球春季リーグは9日に開幕。圧倒的な力でプロの世界への道を切り開いてみせる。(田中 健人)

 【加藤 泰靖(かとう・たいせい)】上武大4年・投手。2000年(平12)12月18日生まれ。21歳。千葉県出身。1メートル82、85キロ。右投げ右打ち。

 ☆球歴 小3で野球を始める。木更津第一中では軟式野球部に所属し、主に捕手、外野手として活躍。志学館では捕手として入学し、2年春から投手に専念し、ベンチ入り。3年夏は東千葉大会で4強入りも、甲子園出場はなし。上武大では1年秋にリーグ戦デビュー。

 ☆球種 カーブ、スライダー、カットボール、フォーク、ツーシーム。

 ☆音楽 「洋楽が好き」といい、好きなミュージシャンは英国の男性グループ「ワン・ダイレクション」。

 《高校で引退意向も練習見学で翻意》加藤は、高校で野球を終えるつもりだった。志学館3年夏は東千葉大会準決勝で成田に敗退。両親と「甲子園に出られなかったら野球はやめる」と約束していたため、大学野球をやることは考えていなかった。しかし、その試合の数日後に対戦相手の成田のコーチに勧められたことなどもあり、上武大の練習を見学。「大学野球は個人でやるのかなと思ったが、上武大学はチームでまとまって、あいさつもしっかりしていた」と規律正しいチームの雰囲気を感じ、進学を決意した。もし大学野球をやっていなかったら「高校は理系だったので、理科系の研究をしていたかもしれない」と話した。

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