【新井さんが行く!】計り知れない一つも勝てていない怖さ 阪神は今こそ“イチにカケル”を体現して

[ 2022年4月5日 05:30 ]

甲子園球場周辺では桜が見頃(撮影・大森 寛明)
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 野球の怖さを改めて思い知らされている。先月25日の開幕戦。5回まで8―1の大優勢だった阪神がこんな事態になると誰が想像できただろう。一つ勝つことが、こんなに大変なのか。矢野監督も選手も難しさ、怖さを感じていると思う。映像で映るベンチ内での矢野監督の姿を見ていると、こちらも胸が苦しくなる。かける言葉がなかなか見つからない。

 選手たちは日々、新しい気持ちで目の前の試合に臨んでいると思う。それでも、言葉で言うほど簡単には開き直れない。開幕から9戦9敗。同じ9連敗でも、シーズン途中よりも苦しさがあると思う。まだ一つも勝てていない怖さは計り知れない。こんな経験は現役時代にもなかった。

 この状況から勝率5割に戻すには、2勝1敗を9カード連続、つまり1カ月以上もかかる。それも順調にいって…の仮定だ。先のことを考えると、どんどん苦しくなってしまう。今こそ、目の前の瞬間、瞬間にフォーカスしてほしい。打者なら1試合でもなく、1打席、その第1ストライク。投手なら1イニング、その1球目。まさに今季のスローガン「イチにカケル!」だ。その瞬間を積み重ねていくしかない。

 タイガースには7年間在籍し、4番を打たせてもらった時期もあった。注目度が高く、勝てない苦しみは多少なりとも経験した。成績が振るわないときほど、メディアを含めて、いろんな人が、いろんなことを言ってくる。大変さは、よく分かる。やはり勝つことでしか打開できない。

 この状況で甲子園球場に戻ってくる。幸い…と言っていいかどうか。本拠地開幕戦。プレッシャーにもなりかねない。特に過去2年の入場制限がなくなり、今季の新人だけでなく、2年目を迎える佐藤輝、中野、伊藤将らにとっても、甲子園の大観衆の前でプレーするのは初めてだ。今こそ選手たちの背中を押してあげてほしい。

 もちろん、応援しているファンの方々にとっても、開幕からの日々は非常につらい。不満もたまっていると思う。でも、今回は温かく迎え、エールを送ってほしい。現役時代、甲子園でたくさん厳しい声をもらった経験者として、そう思う。(スポニチ本紙評論家)

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