選抜21世紀枠候補 相可と書いて「おうか」と読む エース山口は実習であの「ブランド牛」の世話に奔走

[ 2021年12月10日 20:39 ]

相可のエース山口は松阪牛の世話をする(撮影・椎名 航)
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 日本高野連は10日、第94回選抜高校野球大会(来年3月18日から13日間、甲子園)の21世紀枠候補9校を発表した。東海地区は相可(三重)が選出された。

 午後6時前。ある“動物”の飼育実習中に選出を知ったという農業科教諭の逵兼一郎監督(47)が「夢のような話だが、これは現実。本当に光栄なこと。今までも一生懸命練習してきたが、それ以上に頑張ろう」と27人の部員に告げた。

 相可は普通科のほか、2011年にTOKIO・松岡昌宏が主演したドラマ「高校生レストラン」の舞台となった「まごの店」を運営する食物調理科、環境創造科、生産経済科があり、食物調理科以外に野球部員がほぼ均等に在籍。中でも生産経済科では900日以上、当該地区で育てないと認定されない「特産松阪牛」を飼育している。三重大会2試合で完投した最速138キロのエース右腕・山口椋太郎(2年)も同科の生徒。エサやり当番、牛舎の掃除などは野球部員も例外なく担当し、練習開始に間に合わないこともしばしばだが「家族みたいに大事に育てています」と誇りを持って野球と両立している。

 コロナ下で同科では一大イベントである牛の買い付けや競りを経験できていないが、聖地の土を踏む権利はグッと近づいた。「甲子園は夢の場所。選ばれても恥ずかしくないように冬、頑張りたい」と“モー練習”に励むつもりだ。

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