広島・森下「由伸うらやましい」 来季開幕投手から沢村賞獲りへ 3年目球団最高年俸に応える

[ 2021年12月10日 05:30 ]

契約更改を終え会見する森下(代表撮影)
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 広島・森下暢仁投手(24)が9日、広島市内の球団事務所で交渉し、3200万円増の年俸7500万円で契約を更改した。3年目としては14年野村(6000万円)を超えて球団最高額を更新。来季に向けて大瀬良が2年連続で務める開幕投手に名乗りを上げ、球団では16年ジョンソン以来8人目となる沢村賞にも意欲を示した。

 我慢強く投げ続けた1年は大幅昇給となって報われた。今季の森下は打線の援護に恵まれず、昨季より2勝少ない8勝にとどまった。それでも投球回はリーグ2位の163回1/3、クオリティー・スタート(6回以上、自責点3以下)は19回を数えるなど試合をつくり続けた。その貢献度を球団から高く評価され、3年目としては球団最高額を更新する年俸7500万円まで上がった。

 「1年間を通して試合をつくることができたところを一番に評価してもらいました。プロ野球選手として、どんどん年俸が上がることはうれしいこと。来年も評価してもらえるように頑張りたい」

 昨年の契約更改後には、堂々と開幕投手に名乗りを上げた。結果的には大瀬良が大役を務めても、森下にはカード初戦の先発としてエース級と投げ合ってきた自負がある。大瀬良や九里らを押しのけて大役を奪おうとする決意は、今オフも変わっていない。

 「常にそういう争いをしていかないといけない立場まで来た。そこを託してもらえる投手にならないと1年間ローテーションを守るのは難しいと思う」

 先発投手として、より大きな目標もある。東京五輪で同僚として親交を深めたオリックス・山本が今季の沢村賞を受賞。遠い存在だった沢村賞が来季の新たな目標に加わった。

 「本当にうらやましい。あそこまで、ずばぬけた評価をされるのは凄い。そういう選手に並んでいけるような投手になりたい」

 今季は沢村賞の選考基準7項目を一つも満たせなかった。選考会に出席した堀内恒夫委員長は「残念ながらセ・リーグの投手の成績は沢村賞の選考に値しなかった。もう少し頑張ってほしい」と厳しく指摘。その苦言を自らへの激励と捉えて来季への準備を進める。

 「もちろん(沢村賞を)獲りたいし、そういう高いレベルで争いたい。やっぱりチームの中で飛び抜けた成績を残したいです」。さらなる高みを目指すために、広島の投手陣を背負おうとしている。(河合 洋介) 

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