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21世紀枠選出候補に滋賀・伊吹 雪深い町で育んだ地域との連帯 一足早く選抜決めた書道部に続け!

[ 2021年12月10日 19:42 ]

伊吹山を背に集合写真におさまる伊吹高校ナイン (撮影・平嶋 理子)
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 かつて積雪量世界一を誇った霊峰・伊吹山を臨む伊吹が「春」に一歩近づいた。96年の創部以降、滋賀大会ベスト4が最高成績で甲子園出場はない。07年から指揮を執る野村勇雄監督(50)は近畿の推薦校に選出されたことを29人の部員に伝えると、目を潤ませた。

 「スペシャルな選手は一人もいない、ぶさいくなチーム。ただ、一生懸命やる。かつてはもっと熱い先輩たちがいた。そんな選手の顔がいっぱい浮かんできました」

 冬場はグラウンドも積雪し野球の実戦練習はできない。室内練習場もない中で「選手のモチベーションを維持することに腐心してきた」とアップ変わりに長靴を履いてサッカーやラグビーをゲーム形式で実施。罰ゲームを設けて勝利への執着心を植え付けた。

 地域に愛されるチームを目指し、あいさつを徹底し学校周辺の清掃活動や除雪作業も行う。年配の女性から「死にたいと思ったこともあったが、野球部のみんなに声をかけられるなどして励まされた。生きていてよかった」と感謝の電話がかつてあったことを野村監督は明かした。

 練習着の左胸には11月の「書の甲子園」といわれる国際高校生選抜書展で近畿地区優勝を果たした書道部が書いた「伊吹魂」の文字が躍る。書道部は来春選抜出場校のプラカードの校名書きも決まっており、一足早く“選抜出場”を決めた。

 今秋の滋賀大会は準々決勝で近江にサヨナラ負け。エース右腕の福井希空(のあ)が好投したが、最後に力尽きた。それでも、甲子園の常連校相手に互角の戦いを演じたことで自信が生まれた。現在は打撃向上を課題に、スイング強化日も設け、一日1000スイングを目安にバットを振り込む。

 主将の中川蒼河(2年)は「僕たちは常に挑戦者。公立でも勝てる。下克上の気持ちでやっていく。近畿代表として、伊吹で良かったといわれるように」。書道部との“アベック出場”を目指す。

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