阪神・矢野監督がオーナー報告 悔しさ胸に決意「責任感じています」「新たな挑戦を来季に向けてしていく」

[ 2021年11月10日 05:30 ]

シーズン終了報告のため阪神電鉄本社を訪れた矢野監督(撮影・大森 寛明)
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 阪神・矢野燿大監督(52)が大阪市福島区の電鉄本社で9日、藤原崇起オーナー兼球団社長(69=阪神電鉄会長)に対してシーズン終了の報告を行った。新たに1年契約で合意し、来季は就任4年目のシーズンとなる。球団側も戦力整備などの全面バックアップを約束。来季の外国人選手に関し、今季と同等数の8人態勢で臨む方針であることが同日、分かった。

 完全終戦からわずか2日。スーツ姿で壇上に姿を現した矢野監督は、V逸の現実を受け止めながら現在の胸中を明かした。「悔しい…」。10日からは早くも秋季練習がスタート。雪辱を期す来季へ向け、悲壮な決意を明かした。

 「僕も終わったばかりですけど、何とかこの悔しさを明日からぶつけていきたいなというお話をさせていただきました。責任を感じています。采配であったり、かける言葉であったり、何かできることがあったんじゃないかと。だからこそすごく悔しい。チームとしての成長と、僕の成長。それが必要だと身をもって感じている。悔しさは1年1年募る」

 全力で戦い抜いた結果は数字が証明している。3年契約最終年の今季は両リーグ最多の77勝を記録し、優勝したヤクルトとはゲーム差なしの2位。10月も12勝5敗3分けの勝率・706と息切れすることなく粘ったが、あと一歩届かなかった。

 「やっぱり勝ってこそ言えること、僕は勝つだけでは物足りないと思っているんです。形にしていくというのが、より説得力があると言いますか。子供たちに夢だったり、そういうのを伝えられると思う。形にしたいという気持ちは1年、1年強くなっている」

 指揮官が発した「形」こそ「優勝」に他ならない。その重要性を改めて実感したからこそ、課題克服に鋭い目を向けた。

 「それ(失策数)がなければ、もちろん優勝も可能だった。課題は多いですけど、足りない部分を補うこともやっていかないとダメ。同時にいいところを伸ばすこともやっていかなければいけない」

 両リーグ最多の86失策に加え、シーズン終盤には攻撃力が低下。浮き彫りになった弱点を埋めない限り、描く未来は訪れない。

 就任4年目を迎える来季は、背水の1年になる。オーナー報告会の席では、球団側も全面バックアップを約束。外国人選手は今季と同等数の8人態勢を維持する方針であることも判明した。「また新たな挑戦を来季に向けてしていくことを皆さんにお伝えして、もう1回頑張ろうと思っています」。悔恨の2文字はもう、いらない。過去3年の戦いを糧に新たな挑戦が始まる。(山本 浩之)

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