新庄ビッグボスの視察で起きた化学反応 「不思議な力」「心を操られている」「緊張した中で野球」の声

[ 2021年11月10日 16:25 ]

球場入りする際に笑顔でポーズをとる新庄監督
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 日本ハムの「ビッグボス」こと新庄剛志監督(49)が10日、3日間の沖縄・国頭秋季キャンプ視察を終えた。ド派手なジャージーやその言動に注目が集まる中、選手にはプロで生き抜く厳しさ、プロ意識を伝えた3日間となった。

 視察初日の8日には、突然、グラウンド内に選手送迎用のワゴン車が登場。赤いジャージー姿の新庄監督が脚立を使って屋根に上がり、バットを使いスタッフに高さを示した。ゴールデングラブ賞10度を誇る強肩外野手だった指揮官らしい初指導。「(中継プレーで)あれ以上、上に投げて強いボールを投げても意味がない。僕がバットを掲げたぐらいの位置でどれぐらい投げられるかチェックした」と指揮官は語った。試合の中で生きる練習とは何か、そして指揮官はスローイングのどこを見ているか。その後のキャッチボールでは、3人1組で、中継プレーを兼ねた練習を行い、体の使い方や、グラブの運びを伝えた。万波は「3日間、緊張した中で野球がやれたと思います。守備のスローイングの意識のことで、常に低い高さでワンバウンドで投げられるように心がけようと言われたのは印象的だった」と振り返った。

 視察2日目の9日にはプロ4年目で1軍出場なしに終わった清宮の打撃、さらに守備練習をチェックした上で、「ちょっとデブじゃね? って。ちょっとやせない?って」と減量を提案した。体のキレをどう出すか。「やせた方がモテるよ、かっこいいよって。スタイルのいい野球選手が、ベストでしょ? ちょっとぽちゃっとしてるから」と新庄節の中に、厳しさものぞかせた。清宮は、減量へチャレンジするとした上で「競争しながら勝手に野球がうまくなっている、みたいな、ボスに心を操られているなっていうか、勝手にうまくなっているような」と語った

 10日はブルペンで吉田輝の投球を初視察。15球を正面、後ろからチェックし、投げ終えた吉田に声を掛け、プルペンから出てくると、報道陣に「めっちゃ速くね?俺、現役の時、打てないと思う。速っ!」と話した。吉田輝も「不思議な力というか、よしやるぞみたいな感じになるというか、ただ監督が代わっただけ以上のことになっているので、凄いなと思う」と言い「みんな新庄さんのインスタとかをしっかりチェックして、俺出てる、俺出てないとか。監督になる前の取材を見ている人もいて、やっぱ面白いとか、凄いとか(言ってる)」とロッカーの空気が変わってきていると明かした。

 新庄監督は「人に見られたりカメラがたくさんいたら、居ないときの動きと居るときの動きって違うし、捕れない打球も捕れる、あとは自分でこう盛り上がる。まあね、このプレーが全国で配信されるんですから」と話した。指揮官が語るプロ意識の意味を、選手は自分なりに考え始めた。選手のコメントからも、それが伝わってくる。それこそ、新庄監督が3日間で伝えたかったことなのかもしれない。

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