ヤクルト・伊藤智仁投手コーチが涙 救援陣変えた智仁流チェンジ&チャレンジ

[ 2021年10月26日 22:02 ]

セ・リーグ   ヤクルト5-1DeNA ( 2021年10月26日    横浜 )

<D・ヤ25>ベンチで涙ぐむ伊藤投手コーチ(撮影・村上 大輔)
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 ヤクルトは26日、DeNAに5─1で勝ち、2位・阪神が中日に敗れたため、15年以来、6年ぶり8度目のリーグ優勝を決めた。前年最下位からの優勝は15年ヤクルト自身に次ぎ、のべ8度目で、2度目の達成はヤクルトが史上初となった。4年ぶりに復帰した伊藤智仁投手コーチ(51)が救援陣の意識を変えたことが快進撃を支えた要因となった。

 リーグ優勝に欠かせなかったのはリリーフ陣の奮闘だ。ホールド数は12球団ダントツ。昨季12球団ワーストの防御率4.61から変貌を遂げた投手陣の合言葉は「チェンジ」と「チャレンジ」だ。

 この日の試合でも救援陣がDeNA打線を手玉に取った。先発した高梨が初回に失点したが、2回に打線が4点を奪い5―1とリードすると、高津監督は5回から早くも継投策に出た。石山、田口の2人で5回を無失点に抑え、6回から本来は先発の高橋を投入し2回零封。そして8回からは勝利の方程式の清水、9回に守護神マクガフ
で4点差を守り切った。

 4年ぶりに復帰した伊藤投手コーチはキャンプで「はっきり言ってレベルが低い。自己満足になってしまっている」と痛感した。昨季より10%の向上を目指し「いろんなことにチャレンジ。結果はどうであれ、トライしてください」と意識改革。変革のため、目先の結果にはこだわらなかった。

 「こちらがとやかく言ってしまうと、何もできなくなる。一年終わって成長したなと思えるように」と高津監督とも方針を確認。レベルアップを長い目で見た。

 大下はファームにいた5月にサイドスローに変更。6月下旬に再昇格後は防御率3点台と、2軍落ち前の5・06から大幅改善した。19年オフに楽天を戦力外となった今野は持ち味の力強い直球を生かすためにフォークなど変化球の精度を磨いた。今や勝利の方程式として不可欠な存在。投手陣全体の防御率は月を追うごとによくなった。

 さらにセ新記録の149H、今季両リーグ最多の44Sを挙げたリリーフ陣。中でも72試合でプロ野球新記録の50Hを挙げた清水、63試合で7勝28Hの今野、66試合で31Sのマクガフがフル回転で継投策を支えた。その結果、先取点試合の勝率は昨季の・587(セ最低)からセ2位の・754まで上昇。また、チームの73勝と18分けを合わせた計91試合のうち85%に当たる77試合に3人のいずれかが登板。鉄腕トリオの存在なしにV奪回はなく、“投壊”と言われた姿はもうない。

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