横浜・杉山 肝っ玉1年生左腕ピンチで9球火消し&V撃 松坂引退の年に魂受け継ぐ

[ 2021年7月21日 05:30 ]

全国高校野球選手権神奈川大会4回戦   横浜3―0鎌倉学園 ( 2021年7月20日    サーティーフォー相模原 )

<横浜・鎌倉学園>2番手で登板し、2回2/3を無安打無失点と好投した横浜・杉山
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 激戦区の神奈川をけん引してきた横浜の意地とプライド。偉大な先輩で「平成の怪物」と称された西武・松坂が現役引退を決めた年に、その魂を受け継ぐ1年生が現れた。背番号15の左腕・杉山遙希。肝っ玉の15歳が苦しむチームを救った。

 「準備はできていました。自分が抑えてやろうという気持ちが一番、大きかったです」

 まずは投球で空気を変えた。昨秋県大会準優勝の鎌倉学園と序盤から息詰まる投手戦。0―0の7回1死一、二塁のピンチに2番手で登板した。足がすくむような場面で4、5番を左飛、遊ゴロ。わずか9球で切り抜けた。

 数カ月前は中学生だった左腕が直後にバットで魅せる。7回2死二、三塁で決勝2点二塁打。「つなぐという意識で打席に立った。自分で決められてうれしかった」と胸を張った。リードする展開でも浮足立つことはない。9回までの2回2/3を無安打無失点に抑えた。

 村田浩明監督は杉山について「動じない。練習も一番やるし、野球も一番好き。本当に気持ちの入った選手。これからの横浜高を担っていく貴重な選手」と期待する。だからこの日も緊迫した場面でも迷わずに起用。「杉山しかいないと思った。期待通りにやってくれた」と目を細めた。

 杉山は「横浜高といえば?」との問いに「松坂さん」と即答し「生まれていないけどYouTubeで当時の映像を見て凄いなと」と力を込める。時代が平成から令和に替わっても、名門からはスターの素質を持った選手が輩出される。「甲子園で優勝したい」と杉山。可能性は無限だ。(小野寺 大)

 ◇杉山 遙希(すぎやま・はるき)2005年(平17)9月23日生まれ、東京都江戸川区出身の15歳。篠崎アトムズ時代の小6時にジャイアンツジュニアに選出。中学は城南ボーイズでプレーし、横浜では1年春からベンチ入り。憧れの選手は楽天・松井。1メートル80、77キロ。左投げ左打ち。

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