阪神・佐藤輝が歩んだ前半戦の軌跡 最速、最多、初…残した数々の記録 新人最多本塁打記録も狙う

[ 2021年7月21日 07:00 ]

<阪神練習>練習を終え、リラックスムードの佐藤輝(撮影・成瀬 徹)       
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 プロ野球ペナントレースは東京五輪の中断期間に入った。スポニチでは改めて、阪神・佐藤輝が前半戦84試合で打ち立てた各種記録を整理。その軌跡を振り返る。

 始まりは「3・26」だった。開幕スタメンに名を連ね、初打席初打点。いずれも球団新人では2リーグ制以降初だった。「普段通りの気持ちで打席に立つことができた」。プレーに加え、コメントにも大物感を漂わせたが、これは序章に過ぎなかった。

 続く27日。初回2死三塁、ヤクルト田口が投じたスライダーを神宮球場バックスクリーンへ。「これでプロとしての一歩目を踏み出すことができた」。球団新人最速となる開幕2戦目で記録した記念すべきプロ初本塁打。今では、すっかりおなじみとなった「Zポーズ」を繰り出し、怪物ぶりを誇示した。

 その後の躍進ぶりは枚挙にいとまがない。最速、最多、初…新人にまつわる数字を次々と通過。さらに本塁打を放つたび日本プロ野球史も掘り起こした。草創期の大下弘(セネタース)に始まり、桑田武(大洋)、戸倉勝城(毎日)、長嶋茂雄(巨人)…。引き合いに出される名前は、いずれも球団、リーグの枠を超えた歴代の強打者たちだ。それは、日本球界を代表するスラッガーと比肩する逸材であることを物語った。

 後半戦へ向け、改めて「やるからにはもっと上を目指して」と59年桑田武、86年清原和博(西武)が持つ新人最多本塁打記録31本の更新を視野に入れる。シーズンは残り59試合で、目下20本塁打、52打点。143試合換算で34本塁打、88打点ペースだ。どこまで記録を伸ばすのか注目だ。

 <佐藤輝の前半戦歩み>

 【3月26日 ヤクルト戦(神宮)】球団新人では2リーグ制以降初となる開幕スタメンで初打席初打点。

 【3月27日 ヤクルト戦(神宮)】1956年大津淳に並ぶ球団新人最速の開幕2戦目で初本塁打。

 【4月1日 広島戦(マツダ)】セ・リーグのドラフト新人初の開幕2カード連続本塁打。

 【4月27日 中日戦(バンテリンD)】プロ野球ドラフト新人最多タイとなる4月までに7本塁打を放ち、球団新人で2リーグ制以降最多となる4月までに18打点。

 【5月2日 広島戦(甲子園)】プロ野球初の新人が4番初出場試合で満塁本塁打。

 【5月7日 DeNA戦(横浜)】プロ野球ドラフト新人最速となるチーム33試合目10号本塁打。左打者では1リーグ時代を含めても最速の2桁到達。

 【5月15日 巨人戦(東京D)】球団新人4番初となる巨人戦で猛打賞を記録。

 【5月28日 西武戦(メットライフD)】58年長嶋茂雄(巨人)以来で球団史上初の新人1試合3本塁打。

 【6月6日 ソフトバンク戦(甲子園)】59年桑田武(大洋)に並ぶプロ野球新人最速のチーム54試合目で15号本塁打。

 【6月12日 楽天戦(楽天生命)】プロ野球新人単独最多の交流戦6本塁打を放ち、交流戦新人最多タイとなる12打点。
 【6月19日 巨人戦(甲子園)】17号ソロでセ・リーグ全球団からの本塁打を記録。69年田淵幸一以来の6月までに達成。

 【6月20日 巨人戦(甲子園)】80年岡田彰布に並ぶ球団新人2位の18号本塁打。

 【6月23日 中日戦(バンテリンD)】98年高橋由伸(巨人)に並ぶプロ野球新人左打者2位の19号本塁打。

 【7月4日 広島戦(マツダ)】セ・リーグ新人野手では初となるプロ野球最多タイ1試合5三振。

 【7月7日 ヤクルト戦(神宮)】46年大下弘(セネタース)に並ぶプロ野球新人左打者最多20号本塁打。チーム77試合目の到達は59年桑田60試合に次ぐ史上2番目のスピード。

 【7月14日 DeNA戦(甲子園)】99年福留(中日)と並ぶ新人最多121三振。

 【7月17日 球宴第2戦(楽天生命)】2019年第2戦近本(阪神)以来、史上5人目となる新人の球宴本塁打。

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