エンゼルス・大谷 投手でもMLB球宴決定 史上初の二刀流出場へ大きく前進

[ 2021年7月6日 02:30 ]

<エンゼルス・オリオールズ>3回、31号ソロを放ち、指を立て塁を回る大谷(AP)
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 大リーグ機構(MLB)は4日(日本時間5日)、オールスター戦(13日=同14日、デンバー)の投手と控え野手を発表。エンゼルス・大谷はファン投票のDH部門に続き、選手間投票の先発投手部門でも選出された。投打同時は球宴史上初の快挙で、二刀流出場へ大きく前進した。また、古巣・日本ハムの先輩であるパドレス・ダルビッシュ有投手(34)、花巻東の先輩であるマリナーズ・菊池雄星投手(30)の選出も決まった。

 大リーガーたちも、球宴での大谷の二刀流実現を心待ちにしている。選手間投票で先発投手部門5位という結果が、その表れだ。

 ア・リーグ記録となる前半戦での31本塁打&12盗塁到達など、打者としての成績は申し分ない。一方、マウンドでは100マイル(約161キロ)をマークするなど右肘手術からの完全復活を印象付けたものの、規定投球回には届いておらず、3勝と防御率3・60は突出した数字ではない。そのため、これまで球宴での二刀流出場に懐疑的な声もあった。

 大谷自身も1日にファン投票で初選出を果たした際、登板について「DHでの選出なので、そこで投げることが適切なのかどうかというのは正直分からない」と複雑な思いも口にしていた。しかし、選手間投票で投手でも選出されたことで、心置きなくプレーできる。登板自体には「できないなと思うことはない。投げてほしいと言われれば投げると思う」と前向きだ。

 ア・リーグを率いるレイズのケビン・キャッシュ監督は先月、大谷の二刀流起用について「エンゼルスの方針、そして大谷本人がどうしたいか。(二刀流でも)あまり心配していない」と言及。米メディアによると、投打同時出場を推すエンゼルスのジョー・マドン監督は、既にキャッシュ監督と話をしており「ルール緩和の準備はできていると思う」と見通しを示した。一度交代した後の再出場やDH制を維持したままでの登板など、二刀流起用を後押しする「特別ルール」が設置される可能性は十分ある。

 ベーブ・ルースは1933年の第1回球宴で記念の1号本塁打を放ち、翌年も打者で出場したが、ともに登板機会はなかった。大谷は6日(日本時間7日)のレッドソックス戦が球宴前最後の先発となり、登板間隔は十分。夢舞台で、後世に語り継がれる歴史が刻まれる。

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