「夏の主役候補」市和歌山・小園健太 “ザ・4番”履正社・安田尚憲のように誰もが認める選手目指す

[ 2021年7月6日 05:30 ]

甲子園は「夢」と色紙に思いをしたためた市和歌山・小園健太
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 最速152キロを誇り、高校No・1投手の呼び声高い市和歌山・小園健太には、今も忘れられない弾道がある。「“ザ・4番”というか、みんなが打ってほしいときに本塁打を打てるところがかっこいいなと」。17年選抜の準決勝、履正社―報徳学園。中学2年への進級を目前に控えた3月30日、5人の友人とバックネット裏で観戦し、初回2死から高校通算50号となる弾丸ライナーを右翼席へたたき込み、決勝進出の原動力となった履正社・安田尚憲(現ロッテ)に心を奪われた。

 「甲子園って見ている側からすると、本塁打を期待したくなる雰囲気があるじゃないですか。自分ももっと打てたらいいんですけど、打てないので、憧れがあるというか。だから自然とバッターを見てしまいますね」

 小園のポリシーは「自分は自分の投球をする」――。周囲に影響されることなく唯一無二の投手を目指すからこそ、自分にはない魅力を持つスラッガーにひかれるという。

 もちろん、最大のライバルである智弁和歌山がいる和歌山大会を制し、入学時からの最大の目標である「公立校での全国制覇」を成し遂げるためには、安田が放ったような一撃を自身が浴びるわけにはいかない。

 「みんなから“エースやな”と言ってもらえる投球がしたい」

 周囲が憧れる選手になるのも一流の条件。今春選抜では2回戦で、準優勝した明豊に敗れた。「夢」の1文字で表現した甲子園で、伝説になれるかは、その右肩にかかっている。(北野 将市)

 ◇小園 健太(こぞの・けんた)2003年(平15)4月9日生まれ、大阪府貝塚市出身の18歳。小1からR・I・C・Aで野球を始める。貝塚ヤングでは3年時にエースとして全国大会優勝。市和歌山では1年春からベンチ入りし2年秋から背番号1。1メートル85、91キロ。右投げ右打ち。

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