ソフトバンク・千賀 6日1軍復帰登板 侍追加招集も正式決定 金へ貢献誓う「できる限りのことしたい」

[ 2021年7月6日 05:30 ]

1軍に合流しキャッチボールするソフトバンク・千賀(球団提供)
Photo By 提供写真

 エースが帰ってきた。ソフトバンクの千賀滉大投手(28)が、6日のロッテ戦で復帰。左足首のじん帯を痛めた4月6日の日本ハム戦以来、3カ月ぶりの登板だ。驚異的な回復力で、東京五輪で金メダルを目指す侍ジャパンの追加招集メンバー入りも正式決定。首位オリックスに4・5ゲーム差と苦しむチームと侍の両方で、頂点の請負人となるべき右腕に列島の熱い視線が集まる。

 首位・オリックスと4・5ゲーム差と波に乗りきれない王者の救世主として、侍ジャパンのエースとして。千賀が今季2度目の船出に意気込む。ZOZOマリンの室内練習場で約1時間、最終調整。今季初星を挙げながら左足首負傷で緊急降板した4月6日の日本ハム戦以来、91日ぶりの復帰に向けて気持ちを高めた。

 「本当にしんどくて、長かったんですけど、支えてくれた方々に感謝の気持ちを持って1球1球しっかりと投げたいと思う。ここからチームの力になって少しでも上昇気流に乗っていけるよう、力になれたらと思います」

 負傷した札幌から松葉づえ姿で福岡に戻り、「左足首じん帯損傷」で復帰まで2、3カ月との診断。そのプラン通りに約3カ月で1軍に戻ってきた。「回復力をくれた両親に改めて感謝しないといけない」。実戦登板3試合を経て球数100球をクリア。6日のロッテ戦は球数制限なし。感謝を伝えるマウンドにすると決めた。

 5日、東京五輪代表の追加メンバー入りも正式発表された。18年3月のオーストラリアとの強化試合以来の選出。「(侍の)稲葉監督からはケガの(状態を心配する)電話が届いたり、リハビリ組なのに声かけをしてもらって、ありがたかった。僕ができる限りのことをしたいと思う」。交流ある巨人・菅野ら辞退組の分まで右腕を全力で振る。

 まず所属チームを勢い付ける。6月は貧打に悩まされ、勝ちきれなかった現状を十分に承知している。「例年より、勝ちより負けが目に付くかも分からないが、まだ半分くらいですし、まだ離されてもいない。みんなで協力して戦っていきたいし、一員として力になれるように」と頼もしい。昨季ロッテ戦2勝1敗の右腕には、工藤監督もあえて高い注文を付ける。「エースらしい、みんなが“なるほど、さすがだ”という投球をしてほしい。圧巻の投球を見せてくれたらうれしいな」。東京五輪への助走も兼ねる一戦。見事にカムバックした千賀なら、期待に応えるはずだ。(井上 満夫)

続きを表示

2021年7月6日のニュース