巨人・炭谷が内海から1号!FA野手が人的補償投手撃ち「僕自身いろんな思いがありました」

[ 2021年6月4日 05:30 ]

交流戦   巨人4―4西武 ( 2021年6月3日    東京D )

<巨・西>2回無死一塁、内海(左)から右越え2点本塁打を放つ炭谷(撮影・木村 揚輔)
Photo By スポニチ

 巨人の炭谷銀仁朗捕手(33)が3日、古巣の西武を相手に先発マスクをかぶり、内海哲也投手(39)から2回に右越えへ1号2ランを放った。18年オフに西武からFAで巨人に加入した際、人的補償で西武に移籍した相手が内海。移籍後初めて古巣相手に登板したベテラン左腕との対決で貴重な追加点を叩き出したが、2点リードの9回に追いつかれて引き分けた。

 わずか10秒足らずの登場曲に、2人の長いプロ野球人生が交錯した。なぜ、炭谷は内海が巨人時代から使用しているテーマ曲で打席に向かったのか。

 「僕がFAで来た時に人的(補償)という形で内海さんが西武に行った。西武に行かれてから東京ドームで初先発。僕自身いろんな思いがありました」。ビジターのチームは登場曲を使えないため、東京ドームでは二度と流れなかったかもしれなかった。試合前、巨人のスタッフに「1打席だけ使わせてください」と願い出た。

 総合格闘技イベントのテーマ曲「PRIDE」。自身が巨人入りを決めたことで内海の人生を変えた。ただ、それはプロの宿命であり、新天地で互いにプライドを貫く。2回無死一塁。一曲に最大限の敬意を込めて打席に向かった。18・44メートル先には、13年間在籍した西武時代の背番号27をつけた左腕がいる。

 多投していたツーシームに狙いを定めた。初球。「入るとは思わなかったですが狙い通りの打撃ができた」。右越え1号2ランは、5年ぶりに対戦した内海からの初本塁打だ。

 内海と同様に、炭谷にとっても東京ドームは特別な場所である。小学生の時、プロ野球を初めて観戦したのが同球場だ。4番だった原辰徳の背番号8のユニホームを着て応援。現指揮官が18年オフに監督復帰が決まると最初に獲得を球団に願い出たのが炭谷だった。

 8回2死一塁、愛斗の打球は中川が背中側に伸ばしたグラブごとはじいて転がったが、すぐに捕球してアウトにした。攻守で魅せた。古巣・西武戦は11打数5安打、2本塁打。「特別なもの、燃えるものはあります」。勝敗だけでないドラマがあるから野球は面白い。(神田 佑)

 ≪初打席弾は初≫炭谷(巨)が内海(西)から今季1号2ラン。FA移籍した打者が自身の人的補償の投手と移籍後に対戦するのは4組目。本塁打をマークしたのは13年8月8日に村田修一(巨)が藤井秀悟(D)から記録して以来2度目となった。村田の本塁打は8打席目で、初打席でいきなり本塁打は炭谷が初めてだ。

 ▼巨人・中島(古巣から2安打2打点。5回の左中間への3号ソロに)追加点が欲しい場面で点が取れて良かった。

続きを表示

2021年6月4日のニュース