中畑清氏 巨人快勝と言いたいところだけど…今こそ勝利の方程式を確立すべき

[ 2021年6月4日 23:14 ]

交流戦   巨人6―0日本ハム ( 2021年6月4日    東京D )

中畑清氏
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 巨人が5投手による完封リレーで日本ハムを6―0で破った。文句ない快勝と言いたいところだけど、そうでもないんだよね。

 今季初先発で来日最高と思えるパワーピッチングを演じていたメルセデスが、6回2死一塁、左太股を押さえて降板。この緊急事態に登板した大江は、メルセデスの力の投球を引き継いで西川を外角低めの真っすぐで三ゴロに仕留めた。慌てることなく、見事な救援だった。

 でも、この時点ではまだ6回が終わっただけ。残り3イニングあった。3連投の中川をベンチから外していた中で、どうしのぐか。大江を7回いっぱいまで投げさせるのかと思ったら、巨人ベンチは大江が7回先頭の近藤を左飛に抑えて中田を迎えたところで、桜井にスイッチした。

 大丈夫か…。不安な思いで見ていたら、桜井はいきなり中田に中前打を許し、続く渡辺には初球からボールが2球続いた。リードは2点…。一発出れば同点だ。だが、渡辺は3球目の甘い真っすぐをファウルし、続く4球目の真ん中に近い真っすぐを二ゴロ併殺打。桜井は渡辺の中途半端に押っ付けようとするスイングに助けられて事なきを得たけど、結果オーライ。現状では勝ちパターンの中継ぎを任せられる安定感はない。

 巨人はこれまで原監督のやり繰りで何とかしのいできたけど、先の西武3連戦では9回にデラロサ、畠がつかまってさ。3連勝できたところが1勝2引き分けに終わった。いつまでもこんな日替わり継投を続けてちゃ、野手は不安で落ち着いた野球ができない。

 今こそ勝利の方程式を確立すべき。今いるメンバーでは、抑えは一番球威のあるビエイラ。そこから逆算して8回を中川、7回は大江と鍵谷に任せる。そして高梨は状況に応じて臨機応変にはめ込んでいく。デラロサがいい状態で戻ってくるまで、こんな形はどうだろうか。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2021年6月4日のニュース