国学院大11年ぶりV 鳥山泰孝監督が掲げた「五つの約束」

[ 2021年5月14日 17:53 ]

東都大学野球・最終週最終日   国学院大4―2中大 ( 2021年5月14日    神宮 )

国学院大のグラウンドに掲げられている「五つの約束」
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 国学院大の鳥山泰孝監督(45)は10年秋から指揮を執る。その最初のシーズンで優勝した当時を振り返り「竹田前監督(現総監督)がつくってくれたチームのおかげで優勝できた。王手が懸かるまで優勝とは知らなかった」と無欲でつかんだ頂点だったという。

 2度目の優勝は、簡単ではなかった。優勝翌年の11年春には最下位に終わり、2部に降格。12年秋から再び1部に昇格したが、あと一歩で優勝に届かない。2位に終わったシーズンは5度、あった。「最後の1勝まで、どうやって崩れずに野球ができるか。ワンプレーに対する意識とか、いろいろな角度からアプローチをした」と試行錯誤の指導が続いた。

 人間力を磨き、勝ち切れる集団にする。技術以外にも目を向けた。練習場には「五つの約束」がプリントされた紙が貼られている。

(1)感謝
(2)挨拶
(3)時間
(4)清潔
(5)約束

 選手たちは日常生活から見直し、この5項目を忘れずに戦った。鳥山監督は「勝つだけではだめ。優勝と同じくらい大事なものがある。挨拶ひとつにも思いを入れる。“おはようございます”にも気持ちを込める」と話す。自身は練習中に気がついた点や、ミーティングで紹介したい新聞や雑誌の記事を、常に持ち歩く日記やスマホのメモ画面に保存した。「近日中に生かすもの」というフォルダもつくった。

 たくましさが増したチームは最終週では8勝2敗で並んでいた中大に2連勝。8連勝で頂点まで駆け上がった。

 「人間味があってこその野球部でありたい。3度4度と優勝して、世の中に大学野球、大学スポーツの意義を発信できるようにしたい」と鳥山監督。苦悩の末につかんだリーグ優勝。11年前とは違う喜びを噛みしめた。(川島 毅洋)

 ◇鳥山 泰孝(とりやま・やすたか)1975年(昭50)8月29日生まれ、栃木県出身の45歳。宇都宮学園から国学院大。卒業後に国学院大コーチ、修徳高校監督を経て、10年秋から国学院大監督に就任。

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2021年5月14日のニュース