今季限りで退団の阪神・能見 全6球“火の玉”直球勝負!「ファンの声援に後押しされた」

[ 2020年10月23日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5-9広島 ( 2020年10月22日    甲子園 )

<神・広23>キャッチボールを終え藤川(左)とハグする能見 (撮影・奥 調)
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 球団から来季構想外を伝えられ今季限りでの退団が決まった阪神・能見篤史投手(41)が22日、広島戦の7回に登板し1回無安打無失点と快投を披露した。6球オール直球勝負を挑み、最速は148キロを計測するなど力の衰えがないことを証明。タテジマ一筋16年のベテラン左腕が慣れ親しんだ聖地のマウンドで意地を見せつけた。

 「健在」と「意地」を示すパフォーマンスだった。能見は、リリーフカーを降りるといつも通りの駆け足でマウンドへ向かった。スタンドの拍手の大きさが物語った特別な登板。いつだってそうだったように、ボールで思いを体現した。

 「ファンの方々の声援というのは非常にありがたいですし、後押しされました。その声援もあって真っすぐで押せることができましたね」

 一番の武器で最も信頼する球種で挑んだ。先頭・ピレラを145キロで左飛に仕留め上本も146キロで中飛。最後は羽月を146キロで三ゴロに打ち取った。投じた全6球ストレートで最速は148キロを計測した。フォーク、スライダーと決め球の変化球を持つ一方、プロ入りから投球の軸に据えてこだわってきたのは「真っすぐ」だ。自身の象徴とも言える「勝負球」で3つのアウトを奪った。

 21日までに球団から来季の戦力構想から外れていることを伝えられ、今季限りでの退団が決まった。一夜明けたこの日、広報を通じて心境を明かした。

 「球団から今後について話があったのは事実ですが、内容について自分の口からお伝えすることはありません。一つファンのみなさんにお伝えしたいことは、タイガースのユニホームを着て、みなさんの前でプレーするのは今季が最後になるということです」

 自らの口で16年間袖を通してきたユニホームを脱ぐことを明かした。「別れ」へのカウントダウンが始まった瞬間でもあった。この日の試合前練習では、今季限りで現役引退する藤川とキャッチボールし、最後は笑顔で熱い抱擁。長らくチームを支えてきたベテランが心を通わせた時間でもあった。同じタイミングでチームを離れることで05年の最後のリーグ優勝を経験したメンバーもいなくなる。

 「このタテジマのユニホームを着て投げられるのも残り少ないですし感謝の気持ちを持って投げていきたい」

 今後は現役続行を最優先に、他球団でのプレーを模索する。決して終幕ではない。ファイティングポーズを取り直した決意の投球だった。 (遠藤 礼)

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