楽天・涌井 横浜高時代の「庭」で3回完全!最速146キロ、開幕へ仕上がり順調

[ 2020年6月4日 05:30 ]

練習試合   楽天7ー1DeNA ( 2020年6月3日    横浜 )

<D・楽>DeNA打線を3回完全(撮影・小海途 良幹)
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 楽天の涌井秀章投手(33)が3日、DeNAとの練習試合に先発し、3回を完全に抑える快投を演じた。3月15日の巨人とのオープン戦以来、実に80日ぶりの実戦登板。ロッテから移籍したプロ16年目のベテラン右腕は直球の最速も146キロを計測し、19日の開幕に向けて順調な仕上がりを見せた。

 表情を変えることなく、淡々と投げる。それが、涌井らしさだ。3回をわずか41球で完全投球。約2カ月半ぶりの実戦登板で上々の内容も、涌井らしく、冷静に振り返った。

 「スピードもある程度出ていたので久しぶりにしては、よく投げられたなというところ」。力強い直球と、多彩な変化球の制球力は、困難な調整を強いられた時間を感じさせなかった。初回、梶谷、ソトを二ゴロに打ち取ると、前日場外弾を放ったオースティンにはこの日最速の146キロ直球で二飛に仕留めた。

 「バッターの反応とかはそこまで気にせず、ストライクが入るか入らないかの確認作業。その作業がスムーズにできた」。横浜高時代に慣れ親しんだ横浜スタジアムのマウンド。3球団目となった楽天のユニホームで投げるのは初めてだった。3回2死からは、高校の後輩にあたる乙坂を得意のスライダーで空振り三振に仕留め、1人の走者も許さずにマウンドを降りた。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で1カ月以上の活動休止。5月8日からは自主練習が続いたが、三木監督は涌井の姿に感銘を受けた。「黙々とやるべきことを1人で突き詰めてやっていた。“涌井さんがこれだけやっていたら”と若い選手が交じってやっていた」。改めて存在感の大きさを認識した。

 岸は3月に腰痛を発症した影響で調整が遅れているため、通算133勝を誇る右腕は、則本昂とともに先発の両輪として期待される。移籍デビュー戦に向け、涌井はこう言った。「結果を残して、監督に“この日だぞ”と言われてから気持ちも上がってくると思う。今は試合をやっていることに感謝しながらホッとしています」。感謝とともに手応えを感じたマウンドだった。(春川 英樹)

 ▽涌井と横浜スタジアム 横浜高時代から慣れ親しみ、3年夏の04年は決勝で神奈川工と対戦。12―0で下し、2年春に続く2度目の甲子園出場を決めた。プロ入り後は西武時代の10年5月15日の横浜戦で初登板。投げては7回3失点、打っても3点二塁打を含む3安打4打点と活躍した。同じく西武時代の12年5月16日のDeNA戦では石川、小池、荒波の横浜高OBを3人斬り。同シーズン2セーブ目を挙げた。

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