新井氏、古巣・阪神キャンプ訪問 “38歳”鳥谷の遊撃挑戦「できないはずがない」

[ 2019年2月7日 09:00 ]

宜野座キャンプを訪れた本紙評論家・新井貴浩氏(右)と笑顔で話す鳥谷(撮影・山口 和洋)  
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 【新井さんが行く!阪神編】スポニチ本紙評論家の新井貴浩氏(42)がキャンプ地を巡る「新井さんが行く!!」は08〜14年に在籍した阪神編。遊撃に再挑戦する鳥谷敬内野手(37)の強い意気込みを感じ取り、エールを送った。

 宜野座に来るのは5年ぶりかな。阪神には7年間お世話になった。懐かしい。矢野監督にあいさつできたし、(福留)孝介たちとも会えた。中でもトリ(鳥谷)の表情が良かったね。体もよく動いていた。打撃練習ではしっかり投手方向へ下半身が入り、バランスのいいスイングだった。

 驚いたのが、小野の球を打っていたこと。ベテランなら別メニューで調整し、投手の球を打つのはキャンプ後半になってから。いまの時期から打撃練習のローテーションに入っている。自分から「一緒にやらせてください」と言ったと聞いた。今年にかける意気込みが凄く伝わる。言葉の端々から強い思いを感じた。

 ファンの方にはクールなイメージを持たれているかもしれないけど、一緒にプレーした実像は少し違うかな。よく食事をしたし、よくお酒も飲んだ。みんなとワイワイやるのが好きな明るい子だ。

 もう一度ショートに挑戦するのも、トリらしい。運動量が増える大変なポジション。困難なことに挑戦する気持ちは大切だし、素晴らしい。僕が広島へ復帰したのが38歳の年だった。もう一度勝負したいと思って、初心に戻って一からトライした。トリも今年6月で38歳。そんな話も少しした。こんな僕にできたのだから、トリにできないはずがない。

 阪神で一緒だった頃はキャンプの度にトレーニングのやり方が違っていた。常にいいもの取り入れようという向上心がある。努力する才能がある。そんなトリの挑戦を応援したい。今年はいままで以上に表情が明るい。いい笑顔をたくさん見たいね。

 孝介はかなり体を絞ったみたい。「体の状態がいいです」と言っていた。確かに動きがいい。能見もわざわざブルペンの方から顔を見せに来てくれた。昨季途中から中継ぎへ転向。どこか痛いところがあっても、チームのために黙々と腕を振る。そんな能見が好きだ。大きなけがをした(上本)博紀も、しっかり動けていたので安心した。博紀もトリと同じように寡黙な印象を持たれがちだけど、追い込まれても必死に食らいつく打席での姿からも分かるように胸の中に熱いものを持った子だ。

 阪神はもともと投手陣の総合力は高いし、北條ら若い野手も楽しみだ。特に昨季まで1軍でたくさん経験を積んだ若手には頑張ってほしい。金本さんのためにもね。

 そうそう、阪神には忘れちゃいけない男がいる。1軍担当になった(同い年の)藤井コーチだ。相変わらず男前だったね。

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2019年2月7日のニュース