与田剛氏 古巣・中日新監督最有力候補に 森監督は退任、編成部門トップに

[ 2018年10月7日 04:00 ]

与田剛氏
Photo By スポニチ

 中日の森繁和監督(63)が今季限りで退任し、今季まで楽天の2軍投手コーチを務めた球団OBの与田剛氏(52)が後任の最有力候補となっていることが6日、分かった。チームは6年連続でBクラスに低迷し、再建が急務。与田氏が就任すれば、故星野仙一氏以来の中日でプロ入りした投手出身の中日監督となる。2年間指揮を執った森監督は編成部門のトップに就くことが濃厚だ。

 中日は球団ワーストを更新する6年連続Bクラスが決定。13日に1試合を残すため森監督は「シーズン中だもん。結論は全部終わらないと言えない」と進退を明らかにしていないが、任期2年連続で5位以下の責任を取り退任する方向だ。

 球団は既に後任候補をリストアップし、与田氏が最上位にいる。今季2軍投手コーチを務めた楽天からは、前日5日に退団が発表された。監督経験はないが、投手指導の実績は十分。09年、13年のWBCで侍ジャパンの投手コーチを務め、特に09年大会はブルペン担当として2連覇に貢献した。楽天でも16年から2年間は最前線の1軍コーチを務めた。

 与田氏に白羽の矢を立てる最大の理由が、不振を極めた救援陣。借金14の5位に沈む今季は守護神が田島、鈴木博、佐藤ら次々と入れ替わり、リリーフ陣の防御率4・97は12球団ワーストで、逆転負けも37度を数えた。プロ野球最多407セーブの岩瀬が現役引退を表明。来季は一度、グラウンド外から野球を勉強することが濃厚でブルペンを熟知する経験者が不在となる。

 与田氏の現役生活は、そのブルペンから飛び出す救援マウンドが主戦場だった。89年ドラフト1位で中日に入団した当時、チームを率いたのは星野監督。野茂英雄を史上最多の8球団が指名する中での単独指名だった。星野監督は郭源治の故障もあり、1年目の90年から抑えに抜てき。これに応えた与田は、当時新人最多となる31セーブを挙げて最優秀救援投手のタイトルと新人王に輝いた。武器は最速157キロの剛速球だった。

 15年オフ、楽天の球団副会長を務めていた星野氏に指導者の適性を認められてコーチに就任した。選手としても、指導者としても継投の難しさを知る貴重な存在。そして、中日にとって永遠に忘れられない亡き「闘将」との縁が深い存在だ。

 現役引退後にNHKの解説者を務めたことも、星野氏の足跡と重なる。広い肩幅がトレードマークで知名度も高い。球団はシーズン全日程が終了してから一本化し、正式にオファーを出す見込みだ。

 ◆与田 剛(よだ・つよし)1965年(昭40)12月4日生まれ、千葉県出身の52歳。木更津中央から亜大、NTT東京を経て、89年ドラフト1位で中日入団。1年目の90年に新人王、最優秀救援投手。96年シーズン途中にトレードでロッテに移籍。その後日本ハム、阪神に所属も、移籍後は99年の1試合以外1軍登板なし。00年に現役引退。09、13年WBCで侍ジャパン投手コーチを経て、16年から今季まで楽天投手コーチ。右投げ右打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2018年10月7日のニュース