広島ジョンソン球団初!CS初登板初完封 二塁踏ませず「思い通り」

[ 2016年10月13日 05:30 ]

セ・リーグCSファイナルS第1戦 ( 2016年10月12日    マツダ )

<広・D>3安打完封勝利を挙げナインとハイタッチを交わすジョンソン
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 巨人を打ち砕いてきた青い波を、広島・ジョンソンが砕いた。7回1死、筒香と3度目の対戦。2ボール、打者優位のカウントでも1メートル93の長身から見下ろすように146キロシュートで内を突いた。バットが無残なまでに砕け、力ない二飛が上がる。DeNAの戦意を完全に奪った瞬間だった。

 散発3安打、105球で圧巻の完封劇。初回こそ2四球を出したが、一度エンジンが温まればあとは敵なしで、本塁どころか二塁も踏ませなかった。「今日に関しては全てが良かった。初回はアドレナリンが出過ぎてバタバタしてしまったけど、以降は思い通りに投げられた」と悦に入った。

 筒香には全く打撃をさせず、4打数無安打に封じた。レギュラーシーズンは10打数1安打に抑え込んだが、8月30日、最後の対戦の最終打席は本塁打。一振りで流れを持っていく大砲を全力で止めにいった。今季開幕投手を務め、本拠地初CSの“開幕戦”も任された左腕。通算7試合しか投げていないメジャーでは縁遠かったプレーオフ登板に「チームに勝ちをつけなければと重圧でナーバスになった」という中、完璧な仕事をした。

 来日2年目。貢献は15勝の好成績にとどまらない。外国人投手のリーダー的存在として1年目のジャクソン、ヘーゲンズの活躍を呼んだ。ヘーゲンズは「あの打者はこういう打者だとか、よく野球にまつわる話をしてくれるんだ」と感謝。前田がドジャース移籍で抜けたシーズンに、この男なくして25年ぶりのリーグ制覇はなかった。

 「ジョンソンでしょう、今日は。今季一番くらいの投球をしてくれた」と緒方監督。筒香を黙らせ、チームを加速させたその価値は計り知れない。 (柳沢 元紀)

 ▼広島・石原(ジョンソンを好リード)2回以降は自分のリズムで、ジョンソンの投球をしてくれた。(先頭打者に四球を許した初回は)うまく併殺を取れた。

 ≪スタンカ(南海)以来55年ぶり≫ジョンソン(広)がCS初登板を完封で飾った。前後期制時も含めたプレーオフおよびCSの初登板初完封は13年CSファイナルS第3戦の美馬(楽)以来6人目。広島では初めてで、外国人初の記録にもなった。また、日本シリーズも含めたポストシーズンとなると18人目の初登板初完封で、こちらもチーム初。外国人では61年第1戦のスタンカ(南海)に次ぎ55年ぶり2人目だ。なお、初登板に限らない広島投手のポストシーズン完封勝利は、日本シリーズの79年第5戦、80年第4戦で2度記録した山根和夫に次ぎ2人目で3度目。

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