巨人エース 無念の思いを糧に来季へ

[ 2016年10月13日 09:20 ]

8日、練習後ベンチ奥に引き揚げる菅野
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 最後の瞬間。絶対エースはどんな思いで迎えていたのだろうか。CSファーストステージ。最も投げ慣れたはずの東京ドームのマウンドに、最後まで巨人・菅野が上がることはなかった。

 「言葉で“責任を感じています”というのは簡単ですが…、そういう言葉では片付けられない気持ちでいます。いい形で終われたら良かったです」

 試合後、CS開幕以降では初めて報道陣に対応した。言葉を選びながら。絞り出すように話したのが印象的だった。普段は練習の終わりに気さくに雑談に応じる右腕も、自らへの不甲斐なさからここ数日は口を閉ざしていた。練習中も笑顔はほとんどなかった。合間に一人、腰に手を当て、考え込むようにスタンドを見つめる場面もあった。

 異変はCS開幕2日前の6日だった。東京ドームで全体練習が行われた午後1時、グラウンドに菅野の姿はなかった。遅れること数十分。姿を見せた右腕は、ロッカールームに入ると、わずか10分足らずで帰路に就いた。広報発表はなかったが、関係者によれば発熱。数日前から体調の変化がみられたという。

 翌日も練習を休み、8日から練習を再開。約70メートルの遠投に短い距離での力強いキャッチボール。中距離走もこなし、3日ぶりの調整とは思えない体の動かし方だった。1勝1敗で迎えた第3戦。早めの練習を終えた菅野は、尾花投手コーチとともにベンチ裏に消えた。試合前まで中継ぎ待機が検討されていたが、結果はベンチ外だった。エースを欠いたチームはDeNA打線の前に屈した。

 レギュラーシーズンでは防御率、奪三振のタイトル2冠を達成。打線の援護や救援陣の失敗で勝ち星は9勝止まりだったが、年間を通じて安定した投球を続けてきた。託されたのはファーストS初戦のマウンド。勢いある打線をねじ伏せ、チームを加速させるはずだった。「投手の成績はチームの成績に影響する。それを意識しながら、(来季は)周りを引っ張っていきたい」。

 来春にはWBCも控える。そこでも中心選手の一人になるだろう。悔しさを胸に秘め、17シーズンに向かってほしい。(記者コラム・川手 達矢)

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