黒田が提案 モチベーション映像でチーム一丸 中10日関係なし快勝

[ 2016年10月13日 05:30 ]

セ・リーグCSファイナルS第1戦 ( 2016年10月12日    マツダ )

<広・D>3安打完封勝利を挙げナインとハイタッチを交わすジョンソン
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 セ・リーグの広島は12日、3位から勝ち上がったDeNAを5―0で下した。25年ぶりのリーグ優勝に導いた強力打線が初戦から爆発。1番・田中広輔内野手(27)から4番・新井貴浩内野手(39)まで4人全員がタイムリーを放った。クリス・ジョンソン投手(31)も3安打完封。日本シリーズも含めたポストシーズンで球団初の初登板初完封となった。1勝のアドバンテージがある広島は2勝となり、13日の第2戦に勝てば、日本シリーズ進出に王手をかける。

 広島に勝利を呼び込む魔法の6文字だ。「タナキクマル」。そこに「新井さん」が加われば鬼、ならぬ鯉に金棒となる。1番打者として3安打1打点。4打席全てで出塁して2得点の「タナ」こと田中が、お立ち台で声を張り上げた。

 「ファンの皆さんの声援で緊張も吹っ飛びました!(もっと)“タナキクマル”と言われるように頑張ります」

 3回に先頭打者として四球で出塁すると、2番・菊池が犠打。3番・丸の適時二塁打で先制した。さらに4番・新井が右前適時打。田中は2点リードの7回1死二塁では、自ら右越えタイムリー二塁打を放った。「負けたら終わり、という気持ち。初戦は絶対に獲りたかった」。1~3番の「タナキクマル」に加え、ファンから敬意と愛着を込めて「新井さん」と呼ばれる39歳のベテランがそろって打点を挙げた。

 09年に開場した本拠・マツダで初めて開催されるCS。1日のシーズン最終戦から中10日と間隔が空いたが、新井は「地に足が着いていた」と言った。短期決戦。チームの士気を上げようとひそかに行動に移していたのは、チームの精神的支柱でもある黒田だった。

 「ヤンキース時代に、こういうことをやっていたよ、と。今も登板前に(自分用のモノを)見ている」。球団に提案したのは、今季の節目のシーンを編集した映像を試合前に全員で見ること。ほとんどの選手が事前に知らされていないサプライズだった。各選手の活躍に加えてサヨナラ勝ちや優勝の瞬間、広島の街、ファンの涙…。約7分間の映像。これでテンションが上がらないわけがない。チームは一丸となってDeNAを圧倒した。

 「シーズン同様にカープの野球ができた上に、結果も付いてきた。いい入りができた」。緒方監督も力強くうなずいた。アドバンテージを含めて2勝。過去の同様のケースで、ファイナルS突破の確率は100%だ。勢いは我にあり。セ・リーグ覇者が風をつかんだ。

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