東海大相模5年ぶり8強!磯網5安打 11年センバツVの兄に続く

[ 2015年8月16日 05:30 ]

<遊学館・東海大相模>9回、この日5安打目となる中前打を放つ磯網

第97回全国高校野球選手権第10日・3回戦 東海大相模11―2遊学館

(8月15日 甲子園)
 3回戦4試合が行われた。第3試合では東海大相模(神奈川)が遊学館(石川)を11―2で下し、10年以来5年ぶりの8強入りを決めた。打線は2試合連続2桁安打となる18安打を放ち、磯網栄登内野手(3年)が5安打の固め打ちを見せた。

 高めに浮いた直球をフルスイングした。初回、2点を先制し、なお1死三塁の好機で、5番・磯網が中前に運んだ。「先制した後の1点は重い点。思い切りいこうと思った」と胸を張った。

 止まらない。3回に右前打、6回には左前適時打を放ち、8、9回の打席でも単打。5打数5安打の大暴れに「(5安打は)初めて。低い打球を打つことを徹底できた」。神奈川大会では打率・269と苦しんだが、大阪入り後に脱力をテーマにバットを振り込んだ成果が出た。

 3人兄弟の末っ子。長男・将人さん(23)は早実で甲子園に2度出場し、次男・遊斗さん(21)は東海大相模の11年センバツ優勝メンバーだった。自身は昨夏、右膝を痛め甲子園ではベンチ入りはできなかったが、最後の夏にレギュラーをつかみ、兄と同じ舞台に立った。父・俊一さん(55)は「あいつが一番の野球小僧。涙が出ないくらいうれしい」と感激の面持ちだった。

 この日の育成功労賞授賞式で表彰された原貢氏から生前に受けたアドバイスがある。「とにかくフルスイングしろ」――。その教えは磯網をはじめ、東海大相模ナインに浸透していた。ドラフト候補に挙がる小笠原、吉田の左右両エースが注目される中、打線が2試合連続2桁安打となる18安打11得点の猛攻。門馬敬治監督は「相模をつくってくれた原のオヤジさんが表彰された日に勝ててうれしい。ベンチで“攻めまくれ”と応援してくれていたのかもしれない」と恩師に感謝した。

 2人の兄が成し遂げられなかった夏の頂点まであと3勝。磯網は「5安打じゃなくていいので、チームに貢献できる1本を打ちたい」と引き締めた。(川島 毅洋)

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