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エースの涙の退場、試合開始4球目の退場も…野球史に残る“珍退場”

[ 2014年7月20日 07:41 ]

11日の阪神戦で、ニゴロがアウトの判定になり猛抗議する阿部(中央)は暴力行為で退場となる

 7月11日、東京ドームで行われた巨人vs阪神での出来事。5点を追う巨人は、8回2死一塁の場面で打席には阿部慎之助が立った。この試合、2回には9号ソロを放った阿部に期待が集まる。そして、放った打球は一、二塁間を抜けそうなゴロを、二塁手・上本博紀がダイビングキャッチ。ボールを握り直した上本の送球より先に、阿部が一塁を早く駆け抜けたように見えたが、笠原昌春塁審の判定はアウト。

 審判の判定に対して滅多に文句を言わない阿部だが、よっぽど腹に据えかねたのだろう。これに激高して、阿部は笠原塁審の身体に触れ、プロ14年目で初の退場処分を受けてしまった。

 長い歴史を誇る日本プロ野球では、これまで様々な退場劇が繰り返されている。今回は過去に起きた珍しい退場劇を紹介しよう。

◎試合開始4球目で退場

 1981(昭和56)年6月3日の近鉄vsロッテでは、こんな珍事が起きた。プレイボールが告げられた後の4球目、ロッテの先頭打者・庄司智久の打球はレフト前にライナーで飛んでいった。この打球に対して、レフトを守っていた佐々木恭介(近鉄)はダイビングキャッチを試み、打球はノーバウンドでグラブに収まったように見えた。しかし、加藤昌利塁審はダイレクト捕球ではなく、ワンバウンド捕球とみなしてヒットの判定。これに怒った佐々木は加藤塁審を突き飛ばし、即刻退場処分を命じられたのだった。

 プレイボールからわずか4球目の出来事に、チームもスタンドも唖然。あまりにも早すぎるスピード退場記録となってしまった。

◎同じチームで2イニング連続退場

 1954(昭和29)年5月16日の国鉄vs阪神では、国鉄の選手と助監督が相次いで退場する珍事が起きた。

 9回の国鉄の攻撃中、三塁走者の安居玉一はホームスチールを企てるも、寺本秀平球審の判定はアウト。怒った安居は寺本球審を突き飛ばし、退場処分に。

 そして、延長に入った10回、同じく国鉄の攻撃中に本塁突入した走者に対するアウトの判定について、宇佐美一夫助監督が激高。またしても寺本球審を突き飛ばし、退場処分となった。2イニング連続して、同一チームから退場者が出るのは非常に珍しいケースだ。

◎対戦打者0人の涙の退場劇

 1963(昭和38)年8月11日、巨人vs阪神の伝統の一戦では、熱血漢・村山実が吠えた。7回裏1死二、三塁のピンチにリリーフ登板した村山は、2ボール2ストライクから渾身のストレートを投げ込む。しかし、国友正一球審の判定はボール。これに激怒した村山は、暴言を吐いたとみなされて、国友球審から退場処分が命ぜられた。

 そして、この場面では別の問題も起きていた。マウンドを降りて詰め寄る村山に対して、偶然、国友球審の手が村山の顔に当たってしまったのだ。殴られたと勘違いした村山は、殴られた上に退場させられたと、人目をはばからずに号泣したという。

 しかし、この「エースの涙」に阪神ナインは発奮。延長10回表に勝ち越し点を挙げ、3-2で阪神が勝利したのだった。

 また過去には、取り消しとなった退場処分もある。1975(昭和50)年4月11日、広島市民球場で行われた広島vs中日で、ボールの判定を不服とした宮本幸信(広島)が、原田孝一球審に蹴りかかり、即刻退場となった。

 しかし、宮本と同時に原田球審に詰め寄った広島のジョー・ルーツ監督に対しても、一旦は退場処分が宣告されたが、これ以上騒ぎが大きくなるのを避けるため、その宣告はうやむやになり、ルーツ監督は結局、試合終了までベンチで指揮を執ったという。
(『週刊野球太郎』編集部)

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