涌井 9回無死満塁斬り!執念の19球でドロー

[ 2012年7月17日 06:00 ]

<日・西>9回のピンチを抑え、笑顔の涌井

パ・リーグ 西武2-2日本ハム

(7月16日 札幌D)
 同点の9回無死満塁。絶体絶命のピンチを気迫あふれる投球でしのいだ。西武の涌井は、緊張した面持ちが解けないままハイタッチの輪に加わった。「負けなくて良かった。内角をバンバン攻めていこうと。慎重にいったらやられてた」。執念のドローに少しだけ笑みが浮かんだ。

 1点を追う8回に大崎の左前適時打で同点に追いつき迎えた9回。無死一、二塁で登板した。5月4日に守護神に転向して以来、最大のピンチでの登板といえる場面。ここでバント処理を浅村がファンブルし満塁。ピンチはさらに広がった。「開き直っていくしかないと思った。当ててもいいくらいの気持ちでいった」。まずは鶴岡を空振り三振。代打・二岡には今季最速となる151キロの直球で押して二ゴロ。最後は田中を1球で三ゴロに仕留めて切り抜けた。渡辺監督は「価値があるよ。いろんなところでミスは出たがなんとか守りきった。ワクも良く粘った」と安どのため息をついた。

 前日の試合後に神戸から札幌入りするはずが、バスが渋滞に巻き込まれたため、当日移動を強いられた。涌井の睡眠時間はわずか4時間。そんな悪条件の中、価値ある引き分けを拾った。負けなかったことで3位・楽天と1ゲーム差に迫った。前半戦は残り1試合。守護神の執念の19球を上位浮上の足がかりとする。

 ▼西武・大崎(8回に同点の左前適時打)4回に満塁で凡退、前の打席はバントをミスしていたので取り返したかった。

 ≪ドタバタ移動にぐったり≫試合後のナインの表情はぐったりとしていた。15日のオリックス戦後、ほっともっとフィールド神戸から関西国際空港に向かったチームバスが阪神高速の工事渋滞に遭遇。搭乗予定だった午後7時50分発の新千歳空港行きの便に間に合わなかった。そのため急きょ、午後11時着の羽田空港行きの便に搭乗。都内のホテルに一泊し、この日の午前7時30分に羽田空港発の便で札幌へ。午前10時に札幌ドームに到着する強行軍だった。

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2012年7月17日のニュース