原監督、笑顔戻った!積極采配ズバリ「けじめの1勝」

[ 2012年6月24日 06:00 ]

<巨・ヤ>スタンドの声援に応える巨人・原監督

セ・リーグ 巨人7-4ヤクルト

(6月23日 東京D)
 巨人は23日、ヤクルトに7―4で競り勝ち、リーグ戦再開後初勝利を挙げた。原辰徳監督(53)にとって、不倫問題に絡むスキャンダルが報じられてから「けじめの1勝」。負ければ3連敗となる一戦で、原監督と同じ東海大出身の加治前竜一外野手(27)が4回に代打で押し出し四球を選び、6回には決勝打を放った。勝負強い後輩が苦境を救い、首位・中日に0・5ゲーム差に詰め寄った。
【試合結果】

 16日の交流戦初優勝から初めての白星。原監督は拍手をしながら、本拠地で勝利を喜ぶファンへのあいさつの列に加わった。帽子を取り、深々と一礼。普段と変わらないさわやかな笑みだった。

 「非常によくつないだというね。1球、1球こう、相手にジワリジワリとダメージを与えていった、そういうふうな攻撃でしたね」。指揮官が振り返ったのは、3点を追う4回の攻撃だった。1点を返し、なおも2死満塁とすると、大きな決断を下した。打順が回った沢村に代打・加治前をコール。東海大の後輩でもある秘蔵っ子が、粘って押し出し四球を選んだ。1点差として長野の右前2点打につながった。

 「やっぱり加治前の場面でしょうね。立ち直りつつあった沢村をね。大きな四球だった」。3失点の沢村を今季最短の4回で見切った代打策が見事に的中。そのまま左翼に入れた加治前が同点とされた6回1死三塁から左前に決勝打を放った。「カジにかけた。彼はこのゲームに関してはラッキーボーイだった。ラッキーボーイ的な彼を残すことがベストだと」

 20日に発覚した不倫問題に絡むスキャンダル。負ければ3連敗と重いムードが漂ったが、自らのタクトで勝ち取った。大先輩のけじめの白星を支えた加治前は「期待に応えたいと。今年は足がガクガクするような場面で使ってもらっている」と感謝した。原監督には新人時代の08年から打撃指導を受けてきた。少しでも恩返しがしたかった。チーム全体でつかんだ勝利でもあった。4回の3四球は村中が計6球投げたフォークを全て見切ってボールに。そして長野らが打った3安打は全て直球を狙い打った。ヤクルトの捕手・中村も「フォークを見切られた。向こうの作戦が一枚上だった」とうなだれた。

 苦手左腕を攻略し連敗ストップ。首位・中日に0・5ゲーム差に詰め寄った。「まあ、いつもそういうつもりでやっておるんですけれどもね」。積極采配が実った原監督は、照れ隠しのようにジョークめかした。

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2012年6月24日のニュース